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和歌山のホテル汚職 料理人、違法性「自覚あった」 県警「悪質だ」

総料理長と和食料理長が収賄容疑で逮捕、起訴された「ホテルアバローム紀の国」=和歌山市
総料理長と和食料理長が収賄容疑で逮捕、起訴された「ホテルアバローム紀の国」=和歌山市

 料理人が収賄容疑で逮捕、起訴される異例の展開となった公立学校共済組合運営による「ホテルアバローム紀の国」(和歌山市)の食材納入をめぐる汚職事件。総料理長と和食料理長の2人は特定の業者に長年、優先・独占的に発注を続け、受け取った賄賂は生活費に使っていたとみられる。料理人と業者の悪しき慣例が招いた結果だが、公務員とみなされ贈収賄事件の対象となる組合運営のホテルを舞台にした類似事件は過去に他県でも起きており、県警の捜査関係者は「脇が甘い。悪質だ」と指摘する。(藤崎真生)

■優先・独占的に発注

 収賄容疑で逮捕、同罪で起訴されたのは、ホテルの副支配人兼総料理長、佐藤喜久一郎被告(58)と調理部長兼和食料理長、田村孝一被告(50)。

 一方、贈賄容疑で逮捕、同罪で起訴されたのは、兵庫県宝塚市の食料品販売会社代表取締役、合原浩司被告(52)と和歌山市の鮮魚店経営、尾崎洋子被告(69)。

 捜査関係者によると、佐藤被告は昭和59年、田村被告は62年に調理部門で働き始めた。

 佐藤被告は和食で、田村被告は和食に使われる鮮魚で、平成20年ごろには食材納入の業者選定や発注の権限を握る立場にあった。取引は長期間に及び、佐藤被告は合原被告の会社に、ホテルで開かれる宴会などの食材を優先的に発注。田村被告も尾崎被告の店に、ほぼ独占的に発注していた。

■賄賂は生活費に

 起訴状によると、事件では食材納入で有利な取り計らいを受けた謝礼などと知りながら、佐藤被告は今年1月中旬に現金約34万円を、田村被告は7月中旬と8月中旬に計約10万円を、業者側から受け取ったとしている。

 ただ、捜査関係者によると、2人が賄賂を受け取っていた期間は十数年に及び、額は取引額の数%で算出。最近では数万円から十数万円の範囲で、ここ数年は、ほぼ毎月のペースで受け取っていた。総額は各1千万円を超える疑いが強い。2人とも受け取った賄賂は生活費に使っていたとみられ、「法に触れる自覚はあった」などと供述していることから、捜査関係者は違法性の認識はあったとみている。

■類似事件、他県にも

 ホテルの料理人が収賄容疑で逮捕、起訴された異例の事件の背景には、ホテルの運営主体が教職員らでつくる公立学校共済組合という点にあった。佐藤、田村両被告は同組合の職員で、収賄罪が適用される「みなし公務員」にあたるという特殊な事情があるためだ。

 類似の贈収賄事件は過去に他県でも発生。平成27年には、鹿児島市の公立学校共済組合運営の「ホテルウェルビューかごしま」で冷凍食品納入などをめぐり、業者から賄賂を受け取ったとして、当時の副支配人兼調理長と副調理長が収賄容疑で逮捕されている。

 別の捜査関係者は、この事件を「参考にした」とした上で、「5年前にも同じことが起こっているのに(アバロームのケースは)脇が甘い。悪質だ」と指摘する。

 一方、ホテルを運営する公立学校共済組合和歌山支部によると、ホテルでは贈収賄防止などのため、新人の採用後や中間管理職になった時点などの節目に倫理研修を実施してきたが、事件は起きた。

 今回の反省を踏まえ、組合の担当者は「第三者の検証により、原因究明や再発防止策などを図り、改善に生かしていきたい」と話している。

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