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大阪へ看護師派遣次々 「やりくり難しい」の声も

 新型コロナウイルスの感染拡大で医療態勢が逼迫(ひっぱく)しているとして「医療非常事態宣言」を発令した大阪府が、看護師確保に向けた動きを活発化させている。これに合わせ、近隣では大阪府に看護師派遣を決めたり検討したりする県が出てきているが、人材確保が難しいのはどこも同じ。単独自治体の能力を超えるコロナ禍の拡大に、自治体担当者からは「派遣には慎重にならざるを得ない」との声も聞かれる。

 「看護師資格を持ちながら、退職している人を中心に声をかける」。大阪府が運営する「大阪コロナ重症センター」に看護師を派遣する方向で調整していることが判明した奈良県の担当者はこう話す。同県では数人程度の派遣を想定しており、センターの運用が始まる15日までに確保できるよう調整中だという。

 こうした動きは1日、大阪府の吉村洋文知事が全国知事会や関西広域連合に看護師40人の派遣を要請したことを明らかにしたことで加速した。広域連合は今年3月の新型コロナ感染症対策本部会議で、広域的な医療連携や医療人材の広域融通調整などを申し合わせていた。

 吉村氏発言翌日の2日には、和歌山県がいち早く派遣する方針を表明。同県は2人を派遣するという。

 滋賀県は、県病院協会を通じ、県内の病院に対して派遣できる看護師の数や期間などの情報を提供するよう依頼。三日月大造知事は「看護師を派遣すべく、現在調整を進めている」と明かした。京都府の西脇隆俊知事は、大阪府からの要請について「何らかの協力が必要だ」と述べている。

 ただ、県外への看護師派遣は、足元の医療態勢に今後影響を与えるかもしれないという心配がある。

 兵庫県の井戸敏三知事は4日の県議会で「配慮したいが(現実は)難しい」と発言。同県では11月26日に過去最多の184人の感染を確認したほか、入院病床使用率も60%台と高い水準が続く。こうした厳しい状況下では県内の医療スタッフの確保を優先せざるを得ず、「協力は厳しいのが実情。派遣要請はお断りするしかない」(県医務課)と話す。

 派遣を決めたり、検討したりしている県も同様だ。

 和歌山県では、病院それぞれに個別で打診し派遣人数を確保するといい、県の担当者は「県内でも何とか(医療人材を)やりくりしている状況」と打ち明ける。奈良県の担当者も「県内の集中治療室(ICU)で従事している看護師の派遣は難しい」とする。

 「感染がさらに広がれば医療人材は逼迫する。派遣には慎重にならざるを得ない」。和歌山県の担当者は派遣は難しい決断だったことを打ち明けた。

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