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【衝撃事件の核心】コロナ下で史上最高値を更新する「金」の密輸に強まる警戒感

 背景には、金に対する人気の高まりがある。金は実体がある現物資産ゆえ、株式や債券に比べて世界情勢が変化しても影響を受けにくい。短期的な売買による利益は得にくい半面、価値が破綻する心配がなく、金融危機などの経済不安があるとかえって人気が高くなる。

 新型コロナの影響でその傾向は強まっており、金を販売する三菱マテリアルによると、今年8月の1グラム当たりの小売価格は7769円で、同社が昭和58年に価格を公表して以来、過去最高の値がついたという。その後も6~7千円台の高値で安定して推移。店舗に金取引に訪れる客も多く、担当者は「新型コロナの収束が不透明な状況の中、業界内ではさらに価格が上がるとする見方もある」と明かす。

対策強化も

 相次ぐ密輸を受け、国は貨物や航空機の旅客などへの検査体制を拡充するため、高性能の金属探知機などを設置したほか、国内外の関係機関とも情報共有の連携を強化。関税法の罰則も改正し、平成30年4月から罰金額を引き上げた。こうした対策もあってか、30年は1086件だった摘発件数が、昨年は61件まで激減。消費税増税後に急増する恐れもあったが、一時的な増加にとどまったという。

 ただ、密輸の手口は巧妙化。航空機旅客が空港で手荷物運搬に使うカートの隙間を細工して金を紛れ込ませたり、書道のすずりのふたに金を使うなど、あらゆる手口で持ち込もうとするケースも確認されている。税関検査ですべての密輸を見破ることは難しいが、財務省や税関関係者は「より水際での対策を強化するなど、1件も見逃さず摘発につなげたい」と警戒を強化している。

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