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試行錯誤続く小演劇界「万博設計」27日から大阪・ミナミの小劇場公演

「砂利はポルカで踊る」の稽古風景。演者たちはマスクを常に着用するなど、感染防止対策に神経を尖らせながら稽古に臨む=大阪市淀川区(渡部圭介撮影)
「砂利はポルカで踊る」の稽古風景。演者たちはマスクを常に着用するなど、感染防止対策に神経を尖らせながら稽古に臨む=大阪市淀川区(渡部圭介撮影)
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 大阪・ミナミの小劇場「ウイングフィールド」(大阪市中央区)で27~29日、演劇プロデュース団体「万博設計」による「砂利はポルカで踊る」(作・イトウワカナ、演出・橋本匡市)が上演される。小劇場という狭い空間で公演をしている劇団にとり、新型コロナウイルスの影響はまだ色濃い。それでも試すことを止めない演劇界に生きる、作り手の熱意が結実した作品だ。(渡部圭介)

 同作は田舎町を走る路線バスが舞台。夢を追って都会に出た姉と15年ぶりに顔を合わせた妹を軸に、運転手や居合わせた客らも交え、それぞれが抱える思いをぶつけ合う。

 演出の橋本がこの作品を選んだのは、感染防止とも関係する。静謐な空気の下での会話を中心にした劇で、舞台はバス車内。「座席」の向きから演者同士が顔を合わせる場面も減らすことができる。

 ただ、「演者同士が目を合わさないことで、作品に緊張感が生まれた」と橋本。「役者たちの距離感から、人と人の距離、家族の距離といった普遍的なテーマを考えてもらう機会になるのではないか」とも話し、コロナ禍での作品の捉え方の変化も期待する。

 こうした「変化」は、本作を書いたイトウワカナ自身が感じている。「クセのある人間を描くのが好きで、この作品も『共感できない』という評価も多かった。でも今見ると、すべての人物がかわいい」と語り、「コロナ禍で人々の内面を見る機会が増えてしまったからかもしれない」。

 演者たちは稽古中、マスクを外さない。相手の表情が読み取りにくい上、声もこもってしまう。小演劇はコロナ禍の前のような日常を取り戻せていない。

 一方、今作ではバスの防犯カメラや、運転手がミラーで車内を見るような視線で、オンライン配信用のカメラを設置する。配信ならではの見せ方を模索する中で、臨場感を味わってもらう試みだ。橋本は「演劇って試すことを止められないし、試さざるを得ないんです。作り手として今は、楽しんでいる面もあります」と話した。

 「砂利はポルカで踊る」は27~29日に計4回公演。感染防止対策のため客席は各回30席に限定。一般=前売2800円、当日3千円▽U25(25歳以下)=前売2500円、当日2800円▽高校生以下=前売・当日千円。配信チケットは千円。問い合わせ、予約は万博設計(070・5262・8384)。

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