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指定都市市長会「特別自治市」の早期実現を提言へ

 全国20の政令指定都市でつくる指定都市市長会(会長・林文子横浜市長)は5日、政令市が道府県から独立する「特別自治市」をはじめ大都市制度の議論加速と早期実現を求める臨時提言を採択した。大阪都構想の住民投票による機運の高まりを受け、地域の実情に応じた大都市制度を選択できるようにするのが狙い。近く総務省に提出する。

 この日、横浜市で開かれた臨時会議で決定した。提言は政令市を廃止する大阪都構想の住民投票が2度行われる一方、特別自治市に関する法整備がされていないと指摘。新型コロナウイルス対策を例に、保健所を所管する政令市への「地域の実情に応じた権限移譲」の必要性も訴えた。

 一部の市長がオンラインで会議に参加し、福岡市の高島宗一郎市長は、都構想に触れ「それぞれの都市に個性がある中で、何がベストなのか市民が考えるきっかけになった」と評価。京都市の門川大作市長は「政令市に仕事が移譲されてきた一方で、財源の移譲が遅れている」と強調した。

 一方、都構想が否決された大阪市の松井一郎市長は記者会見で「法律がない中で道府県が大反対するだろう。なかなか進まないのでは」との見方を示した。

 道府県に近い権限を持つ大都市のあり方は、重要政策を迅速かつ効果的に実行する上で各自治体を悩ませてきた課題だ。二重行政解消のため、特別自治市とは別に政令市と府県が連携する動きもある。

 平成26年成立の改正地方自治法は、道府県と政令市が協議する「調整会議」の設置を義務付けた。総務省によると、昨年7月までに会議を開いたのは大阪や広島、新潟など10政令市という。

 大阪大大学院の北村亘教授(行政学)は、道府県と政令市が対立した場合、いずれかが調整会議の開催を要請すれば、もう一方は応じる義務があるとして「これまでとは全く異なる仕組み」と指摘する。「政令市が独立したり、政令市を廃止して道府県が直接統治したりするわけでもない以上、現時点で調整会議以上の制度はないのではないか」としている。

 一方で基礎自治体の政令市が住民ニーズに応じたサービスを提供できるよう、地方自治法は行政区の権限を強化した「総合区」を規定。昨年7月時点で導入した政令市はないが、松井氏は「身近な仕事をする行政区が機能強化され、住民にとってプラスだ」と話し、導入に前向きな姿勢を示した。

 ■特別自治市 指定都市市長会が平成22年に提唱した大都市制度構想。明治以来の道府県と市町村の関係を見直し、政令指定都市を道府県から独立させることで二重行政を解消し、住民サービスの効率化と充実を図る。同市長会は、地方自治業務全般について権限と財源を政令市に移譲するよう求めており、実現には地方自治法の改正が必要になる。

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