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平川廃寺に3メートルの菩薩像 南山城の最新仏像調査紹介 帝塚山大博物館

高さ3メートル前後の巨大な菩薩像だったことが判明した平川廃寺跡出土の塑像片=奈良市
高さ3メートル前後の巨大な菩薩像だったことが判明した平川廃寺跡出土の塑像片=奈良市
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 帝塚山大学(奈良市)が、京都府南部の南山城地域で実施した仏像調査で、京都府城陽市平川古宮の平川廃寺跡で出土した奈良時代の塑像(そぞう)(粘土で造られた仏像)片から、像高が約3メートルに及ぶ菩薩像が安置されていたことが判明した。また、南北朝~室町時代を代表する仏師系統「院派(いんは)」の仏像が、南山城で初めて確認された。同大付属博物館の特別展「木津川をめぐる神と仏~井手・城陽の調査から」で紹介されている。

 平川廃寺は南山城最大の久津川車塚古墳に近く、木津川、宇治川、桂川が合流する巨椋池(おぐらいけ)(消滅)を望む水運の要衝にあった。

 昭和48年~平成19年の発掘調査で、飛鳥時代の7世紀後半に創建され、奈良時代の8世紀に法隆寺式の伽藍(がらん)が整備されたことが判明している。

 同大講師の戸花亜利州さんが、金堂跡周辺で出土した塑像片約30点を精査。今年3月に発表した論文で、十尺(約3メートル)前後の菩薩像を中心に、大型の塑像が複数並んでいた状況が明らかにされた。仏像群は8世紀中~後半に制作され、平安初期の火災で崩壊したと推定されるという。

 戸花さんは「質感のある衣など写実的な造形感覚は高い技法が認められる」と話し、破片から文献に登場しない大寺院の荘厳な空間が浮かび上がる。

 数多くの仏像を所蔵する井手町井手の西福寺では、11世紀(平安時代)の不動明王坐像の存在を新たに確認。南北朝~室町時代の造仏界で最も勢力があった院派の仏像と確認されたのは同寺の薬師如来坐像(像高41センチ)で、調査した同大の杉崎貴英教授は「当時の院派系の作例は全国で見い出されてきたが、拠点の京都に近い南山城でもはっきり存在を確認できた意義は大きい」と話す。

 特別展は新型コロナウイルス対策で3日前までに事前予約が必要。問い合わせ、申し込みは同館(0742・48・9700)。

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