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岐路に立つ政令市 「適正再編」と都構想推進派 反対派は「権限ない」 

 しかし反対派は大阪市廃止により「権限も財源もない特別区に格下げされ、住民サービスが低下する」と主張。特別区の事務に、一般市町村が担う水道や消防などが含まれないことを取り上げ「村以下の自治体になる」と批判している。

 制度設計で、大阪市の事務は財源とセットで振り分けており、水道や消防は府が担う。一方、特別区は東京23区より権限が広く、都道府県や政令市が所管する認定こども園の認定や私立幼稚園の認可、児童相談所の設置も行い、推進派は、よりきめ細かいサービスが実現できるとしている。

 維新代表の松井一郎市長は、大阪市の権限の一部が府に移ることへの警戒感を払拭するため「大阪府知事は大阪市民の敵ではない」と説明。同代表代行の吉村洋文知事は「(都構想は)役所の適正再編だ。東京消防庁は村以下の体制かというと、東京23区民はそう思っていない。反対派による『反対のための反対』でしかなく、住民目線が根本的に欠けている」と反論している。

 昭和31年に大阪市をはじめとする旧五大市で始まった政令市は、戦後の人口増加や「平成の大合併」などを経て20市まで増えた。当初は人口100万人程度が多かったが、直近では70万人規模の市も相次ぎ、多様化が進んでいる。

 政令市は、地方自治法で「人口50万人以上」と定められ、31年9月に当時の人口が多い順に大阪、名古屋、京都、横浜、神戸の5市が移行。38年に福岡県門司市など5市が合併した北九州市が、47年から平成4年にかけて札幌、福岡、千葉など6市が加わった。

 旧五大市はその後傾向が分かれた。総務省の人口動態調査によると、今年1月時点で横浜市が最多の約375万人に上る一方、神戸市(約153万人)と京都市(約141万人)の人口は、札幌市(約196万人)や福岡市(約155万人)を下回っている。

 政府は13年に市町村合併を促すため、「人口100万人以上、または80万人以上で将来100万人程度を見込む」とされていた指定基準を緩和。15~24年にさいたま、堺、熊本など8市が移行したが、うち静岡市は今年1月時点で70万人を切っており、「大都市」というかつての政令市のイメージは変わりつつある。

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