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被害者も被告も憤る 京都・朝鮮学校ヘイト事件の司法判断

控訴審判決後、会見した学校法人京都朝鮮学園の趙明浩理事長(左から2人目)ら =大阪市内
控訴審判決後、会見した学校法人京都朝鮮学園の趙明浩理事長(左から2人目)ら =大阪市内

 差別社会の現実か、表現の自由か-。朝鮮学校に向けられた言動をめぐり、被害者と被告側の双方が裁判所を強く批判している。京都の朝鮮学校へのヘイトスピーチ(憎悪表現)で社会的な評価をおとしめたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われた男の公判。1、2審ともに有罪となったが、学校側は「司法は役割を放棄した」と猛反発し、被告側も「発言の萎縮につながる」として最高裁に上告した。怒りの理由は何か。事件と裁判を振り返る。(森西勇太)

認定された「公益目的」

 平成29年4月、京都市南区の京都朝鮮第一初級学校跡地近くの公園。判決によると、在日特権を許さない市民の会(在特会)の元幹部の男(51)は拡声器を用い、こう発言した。「この朝鮮学校は日本人を拉致した」。様子は動画サイトでも配信された。

 学校を運営する学校法人京都朝鮮学園は、発言をヘイトスピーチだと判断し、被告を刑事告訴。京都地検が名誉毀損罪で在宅起訴し、刑事裁判に発展した。

 1審京都地裁は昨年11月、罪の成立を認める一方、「日本人拉致事件の事実関係を一般に明らかにする目的で行為に及んでおり、公益目的があった」と指摘。検察側は懲役1年6月を求刑したが、発言の公益性などが認められ、判決はより軽い罰金50万円にとどまった。被告側は「言論の萎縮を招く」として控訴したが、検察側は控訴を見送った。

控訴審は言及せず

 学園側は1審判決や検察の対応に強い不満を抱き、「被告の言動は人種差別が目的。公益目的は認定されるべきではない」(学園側弁護団)と主張。大阪高裁での控訴審を前にした今年7月には、被告の行動は差別目的だと認定し直すよう求める声明も大阪高検に提出した。

 これに対し被告側は控訴審で、街宣で触れた「朝鮮学校」とは京都朝鮮第一初級学校でなく朝鮮学校一般を指しており、別の朝鮮学校の校長が拉致事件に関与したのは事実であるなどとして無罪を主張した。

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