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地表は60度超、灼熱の鳥取砂丘で起きた熱中症死

 馬の背近くでパラグライダー教室を開講する鳥取砂丘アクティビティ協会会長の片岡義夫さん(57)は「馬の背を上がり、海側に駆け下り、また上がろうとして動けなくなった若者を助けたことが何度もある」という。若者でさえそうなのだから、体力が落ちた中年に夏の砂丘の起伏はきつい。

 ゴールの砂丘入り口までは、馬の背のふもとから緩やかな上り坂で約700メートル。砂に足をとられて歩きづらく、途中3度ほど休み、水分補給した。ようやく入り口にたどりついたときには、長者ケ庭を出発してから30分がたっていた。

「気温37度で入場制限」提案も

 未来会議に出席した片岡さんは「砂丘の厳しい暑さを観光客は知らない」と述べ、別の出席者も「砂丘の入り口から海側を見ると、実際より近く見える。楽にいけるだろうと錯覚する」と砂丘の危険性を指摘した。また、地元観光協会の幹部は「新型コロナウイルスの感染拡大により観光客が少なく(倒れた男性の)発見が遅れた可能性もある」と推測した。

 今年8月の砂丘内での熱中症救護件数は27件で、コロナ禍による観光客激減にもかかわらず、前年より10件も増えた。鳥取砂丘レンジャーの竹ノ内司修さんは増加要因として、長梅雨が明け8月に入って一気に猛暑となり、砂丘を訪れる人たちの体の調整が気候に追い付けていない可能性もあるとした。

 事案を受けて鳥取県などは、熱中症の注意喚起のチラシを砂丘駐車場で配ったり、入り口に注意喚起の看板を設置したりするなどの対応に追われた。屋外スピーカーで1日5~7回の注意喚起放送も始め、砂丘レンジャーの巡視も強化した。

 未来会議では「思い切って気温37度以上の日は砂丘に入ることを制限する」「具合の悪そうな観光客をいち早く発見できるような基礎知識を観光関係業者が持つところから始める」などの意見も出た。当面は観光客への呼びかけを強めることから始めているが、二度と熱中症死を招かないためには、「灼熱の砂丘」への抜本的な対策が必要だ。

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