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大阪名物フグ消えた…大阪で巨大看板が根付いた理由

 新型コロナウイルスなどによる経営不振で、今年創業100年を迎える大阪の老舗フグ料理店「づぼらや」が15日に閉店する。惜しむ声が上がる中、店頭に掲げられた巨大なフグのちょうちん看板が3日未明に撤去された。動くカニや「グリコ」の看板とともに大阪・ミナミの“象徴”として親しまれてきたが、これほどたくさんの個性豊かな巨大看板が大阪の街で生まれたのはなぜなのか。(木下未希)

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 フグの看板があった場所には、顧客への感謝の言葉とともに「ほな! さいなら」と書かれた垂れ幕が残された。「店の営業もしておらず、看板の管理もできない状況は安全面でも良くないと判断した。突然決めたので、せめて垂れ幕で最後のあいさつをしたかった」。づぼらやの運営会社「松田興産」の担当者はこう話す。

 づぼらやは大正9年に創業。大阪・通天閣近くの新世界本店(大阪市浪速区)と、大阪・ミナミの道頓堀店(同市中央区)に2店舗を構えていた。今年は創業100年となる節目だったが、新型コロナウイルスによる客足の落ち込みと、大勢で鍋を囲むスタイルは受け入れられることは困難として、4月から臨時休業。営業再開することなく閉店が決まった。

 店頭につるされた看板は、本店のもので高さ約3・5メートル、顔の幅約3メートル、鼻先から尾までの長さが約5メートルもあり、観光客から人気を集めた。実はこの看板、「店舗から車道へ看板の突き出し幅は1メートル以内」とする市の基準を超えていた。市は平成23年に初めて撤去要請をしたものの、それ以降、閉店が発表されるまでは黙認状態だった。

 観光客らに愛された看板だけに、閉店が決まった直後、松井一郎市長も「安全性を担保しながら残せる形も考えていきたい」と話していた。だが、本店だけでなく、やや小ぶりだった道頓堀店のちょうちん看板も撤去することに。松田興産によると、今後、看板を譲渡したり外に出したりする予定はないという。

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 そもそも、なぜ独創的な巨大看板がミナミに多いのか。

 道頓堀商店会によると、江戸時代に幕府の都市計画で、道頓堀周辺に芝居小屋や劇場が集められたことが起源だという。北辻稔事務局長(69)は「劇の宣伝のため、劇場前に人形をつるしたり、派手な絵看板やちょうちんを掲げたりして客を呼び込んだことが、看板文化の始まりといわれています」と説明する。

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