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児童虐待~連鎖の軛(3) 家庭復帰と親失うリスク 児相、難しい判断 

支援する家庭への連絡や、関係機関との調整に追われる児童相談所の職員。電話が鳴りやむことはなく、デスクには面会などの記録をまとめたファイルが積み重なっていた(渡辺恭晃撮影、写真は本文と関係ありません)
支援する家庭への連絡や、関係機関との調整に追われる児童相談所の職員。電話が鳴りやむことはなく、デスクには面会などの記録をまとめたファイルが積み重なっていた(渡辺恭晃撮影、写真は本文と関係ありません)
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 西日本の児童相談所(児相)に、一時保護されていた4歳と2歳の兄弟を両親が2カ月ぶりに迎えに来た。「また子供と過ごせる」と涙を流し、わが子を抱こうとする母親。だが、弟の陽太(ひなた)ちゃん(仮名)は逃れるようにじたばたと暴れた。「本当に帰して大丈夫なのか」。保護した子供が暮らす一時保護所の責任者で、兄弟を世話してきた後藤裕之さん(50)=仮名=の胸に不安がよぎった。

 児相が幼い兄弟の一時保護に踏み切ったのは昨年春のこと。だが、家庭との関わりは数年前から続いてきた。母親の連れ子で、陽太ちゃんらにとっては異父姉にあたる中学生の少女が、再婚相手の父親から虐待を受け、児童福祉施設に身を寄せていた。

 父親から母親への暴力も繰り返されており、実子の幼い兄弟への影響を懸念して、児相が家庭訪問を続けていた。しかし、父親は次第に児相を拒絶し、自治体の見守り態勢も十分になかったことから、家庭内の様子の確認がいっそう難しくなっていた。「兄弟を一時保護してちゃんと調査しよう」。強制的な介入にはこうした経緯があった。

一時保護所で成長

 一時保護所に身を寄せた兄弟の体には、暴力によるあざなどはなかったが、後藤さんが心配したのは陽太ちゃんの様子だった。職員に抱きついて離れず、表情は暗く、言葉の理解も年齢相応に進んでいなかった。「養育環境が抑圧的だった影響がみられる」。後藤さんは児相の会議でそう報告した。

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