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「安楽死」の選択に葛藤 ALS死亡女性の友人、思い吐露

京都府警中京署に移送される山本直樹容疑者を乗せたワゴン車=23日、京都市中京区の中京警察署(桑村大撮影)
京都府警中京署に移送される山本直樹容疑者を乗せたワゴン車=23日、京都市中京区の中京警察署(桑村大撮影)

 「『元気になってほしい』という思いと、『早く楽にさせてあげたい』という思いの両方があった」。自らを殺害するよう医師に依頼したとされるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の女性=当時(51)=と学生時代から交流を続けてきた友人(51)が産経新聞の取材に応じ、女性への思いを吐露した。

 女性は以前、東京で建築士として活躍していた。「クールで歯に衣(きぬ)着せぬ物言いをするが、不思議な魅力のある人。昔から大人っぽい考え方をしていた」といい、悩み事があれば友人らが相談することも多かった。

 ALSの発症は平成24年ごろ。転倒しやすくなるなどの違和感から病院を受診し、判明した。当初はつえをつきながら歩く状態で、闘病のために地元の京都へ戻ったころから友人は定期的に自宅を訪れるようになった。

 「死にたい」。女性はそうこぼすようになった。ALSは全身の筋肉が衰えていく難病。散歩、食事、会話-。当たり前だった日常が少しずつ、少しずつ奪われていく。「体は動かなくなるのに頭はさえていることが何よりも残酷。彼女は頭がよくて、海外留学をするなど自由に生きてきただけにつらかったと思う」と話す。

 海外生活が長く、日本という枠を超えた人生観を持ち、夢を見てかなえ続けてきた女性。気高く、人一倍懸命に人生と向き合い、生きてきた。「だからこそ、自身の意思と体とを切り裂いていくALSと、病魔に侵されるままなすすべがない自身の姿がどうしても受け入れられず、許せなかったのではないか」

 体が思うように動かなくなり、ほどなくして車いす生活に。約5年前からは目で文字盤を追ってコミュニケーションを取るようになった。歯がゆさや怒りから時折周囲に当たることもあったが、筋力の衰えとともにそれもままならなくなった。「それでも、彼女は常にあふれる自尊心を持ち続け、尊厳を守るための死を考え続けていたのだろう」。友人はそう振り返る。

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