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【脳を知る】認知症の徘徊 本人にとっては理由がある?

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 70代の女性が物忘れ外来を受診のため、娘さんと病院に来られました。診察の順番になったのですが、呼び出しても診察室になかなか入ってこないので、待合室を見に行きました。そうすると、娘さんだけが待合室におり、不安な顔で言いました。「トイレに行ったのですが、なかなか帰ってこないのです」と。

 そのため、スタッフと一緒に本人を探すと、トイレに行ったあと、診察室と反対方向に歩いていき、病院内をうろうろ歩いていたのです。娘さんがどこに行ってたか聞くと、本人は迷っていた可能性があると思うのですが、「病院の中を散歩してたんです」と取り繕うように答えました。

 診察が終わると娘さんから「そろそろ徘徊(はいかい)にも注意しないといけないでしょうか?」と質問がありました。「認知症は軽い方で、住み慣れた家の中や家の周りだと迷いにくいですが、出かけた先など慣れない場所は、迷ってしまうかもしれませんね」と私は答えしました。

 徘徊は、認知症の症状の中で、家族が困ってしまう症状のひとつです。この方は、ほんとにトイレに行ったあと、待ち時間に散歩しようと病院の中を歩いている間に方向が分からなくなり、徘徊していたのかもしれません。アルツハイマー型認知症は、はじめは何かの目的のために歩き出しても、方向が分からなくなり、記憶障害のためにはじめの目的も忘れてしまって、徘徊につながることがあります。

 本人にとっては、徘徊には何らかの理由があることが多いものです。認知症のタイプによっても、徘徊のでかたが異なります。レビー小体型認知症であれば、幻覚の症状が多くでますので、人や動物が見えてそれを追いかけているうちに徘徊につながっていきます。

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