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京アニ事件1年 弔い続けるファンの僧侶 生きた証、引き継ぐ

事件から1年がたち、犠牲者を悼んで法要が営まれた=18日午前、京都市上京区の清浄華院(渡辺恭晃撮影)
事件から1年がたち、犠牲者を悼んで法要が営まれた=18日午前、京都市上京区の清浄華院(渡辺恭晃撮影)

 京都アニメーション放火殺人事件から1年となった18日、浄土宗大本山の一つ、清浄華院(京都市上京区)は、事件の犠牲者を弔う一周忌の法要を営んだ。

 午前10時から本堂で僧侶11人が読経する中、一般の参列者ら約25人も焼香。事件の犠牲者数と同じ36枚の水塔婆(みずとうば)を1枚1枚手に取りながら悼んだ。

 清浄華院では、ファンの思いとともに、発生直後から法要を続けてきた。自身も京アニファンという僧侶、松田道観(38)さんは事件から1年がたち、「犠牲者の情熱を引き継いでいかなくては」と語る。

 事件の一報はインターネットのニュースで知った。テレビで黒煙を上げる第1スタジオの映像を見て、「大変なことになった」とショックを受けた。

 就職氷河期時代に大学を卒業し、フリーターとして土木作業員などで日々を暮らす中、支えになったのが京アニが手掛けた「CLANNAD(クラナド)」や「けいおん!」だった。「厳しい現実に直面したとき、京アニのやさしく、あたたかい世界観に救われた」と振り返る。

 自身を救ってくれた京アニで起きた事件。「アニメ作りで研鑽(けんさん)を重ねてきた人たちの未来が突然、理不尽に奪われた。どんなに悔しかっただろう」と心を痛めた。

 「誰かが弔わなければ」と有志の僧侶6人で、事件から1週間後、初七日の法要を行った。「事件を利用した売名行為だ」と批判も受けたが、それでも続けてきたのはファンの熱い思いがあったからだ。

 「手を合わせることで自分の心を犠牲者に向けられたと思える。自分と同じ思いを持つ人の祈りの場を提供できれば」

 最近では犠牲者の遺族も訪れるようになり、「1年が過ぎたので笑って生きていこうと思います」と、声をかけられたこともあるという。「彼らの生きた証を途切れさせないようにするのが残された者の責務」。僧侶として、ファンとして、月命日の法要を続けるつもりだ。

 1年がたち、松田さんの京アニへの思いはさらに強まった。「日常の中で友情や愛情を描く、京アニらしいやさしい空気感を受け継いでほしい」と願っている。

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