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「避難できない…」通報殺到で間に合わぬ救助 早めの避難の重要性浮き彫りに 福岡・大牟田市 

犠牲になった田中春子さんの近隣の家。田中さんの家より敷地は高いが、床板はめくれ、ふすまのシミが浸水被害を伝えている=8日、福岡県大牟田市樋口町(西山瑞穂撮影)
犠牲になった田中春子さんの近隣の家。田中さんの家より敷地は高いが、床板はめくれ、ふすまのシミが浸水被害を伝えている=8日、福岡県大牟田市樋口町(西山瑞穂撮影)
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 多くの浸水被害が出た福岡県大牟田市。自宅から逃げ遅れて死亡した高齢女性は、2度消防に助けを求めていたが、すでに同様の通報が殺到していて救助の手は届かなかった。同市を豪雨が襲ったのは、熊本県南部で甚大な被害が明らかになった2日後だったが、住民の備えは必ずしも進んでいなかった。大雨は最短でも12日ごろまで続く予報で、新たな被害も懸念される。早めの対策の重要性が改めて浮かび上がった。(西山瑞穂、花輪理徳)

 「家に水が入ってきた」。6日午後7時半ごろ、同市樋口町の田中春子さん(87)は切迫した声で消防に通報した。近隣住民によると、田中さんは平屋に1人暮らし。普段歩くときには手押し車を使っていたといい、通報の中で「自分では避難できない」と訴えていた。

 約40分後、田中さんは再び119番して救助を求めたが、市内では夜までに約300件の通報があり、救助隊がすぐに対応するのは困難だった。

 ボートや潜水装備を備えた市消防本部の特別救助隊が、田中さんの家に到着したのは日付が変わるころ。付近の水深は2メートルほどに達していた。潜って室内に入った救助隊員が田中さんを発見したが、搬送先の病院で死亡が確認された。

 市消防本部の担当者は「市民11万人に対し、救助に動ける隊員は約100人。緊急性が高い通報から優先したはずだが、救えなかったことは悔しい」と肩を落とす。この地区では光野弘規さん(84)も自宅で死亡した。

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