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【河村直哉の時事論】国家独立のための武装考える

東京・市谷の防衛省。北朝鮮の核やミサイルの脅威が高まるなか、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画が撤回された
東京・市谷の防衛省。北朝鮮の核やミサイルの脅威が高まるなか、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画が撤回された

 トランプ米政権の内幕を描いたボルトン前大統領補佐官の著書「それが起きた部屋」によると、トランプ大統領は在日米軍の駐留経費の日本側負担として現行の約4・3倍の年間約80億ドル(約8550億円)を求める意向を日本側に伝えたという。事実かどうかは別として、日本が自主防衛について考えるきっかけにすればよい。

■もっと議論を

 このような話が出たとき、日本はどうすべきかという議論がなぜもっと広範囲に起こらないのか、筆者は疑問に思っている。昨年6月の大阪でのG20サミットの際、トランプ氏は米テレビ局に対し述べた。「日本が攻撃されれば米国は彼らを守るために戦うが、米国が攻撃を受けても日本はわれわれを助ける必要がない」。ブルームバーグ通信はトランプ氏が日米安全保障条約の破棄に言及したとも伝えた。

 サミット閉幕後の会見でトランプ氏は破棄については否定したが、条約は「不公平だ」と述べた。日本国内でこれを由々しき問題と捉える向きもあったのだが、翌月の参院選でさしたる争点になるでもなく、立ち消えになった。

 自国に有利に交渉ごとを進めようとするトランプ流と見ることはできる。今回伝えられた80億ドルうんぬんにしても、少しでもアメリカに有利な条件を引き出そうとする戦術だろう。しかし日本の安全保障の根幹にかかわる問題を馬耳東風と受け流すのは、いかがなものか。トランプ発言の一つ一つを騒ぎ立てる必要もないが、国家が国民をどのようにして守るかということは常に考えておかなければならない。もっと議論があってよい。

■マキャベリのレアリズム

 当欄はそのときどきのニュースを取り上げるとともに、そのニュースを見るときに参照されるべき原則的な考え方を重視したいと思っている。ここでも原則を見る。

 「すべての国家が持つべき重要な土台は良き法律とすぐれた軍備である」「イタリアにおいて国を失った支配者たちを考察してみると、これまでに長々と論じてきたその諸原因のなかで、第一に軍備にかかわる共通の欠陥が見いだされるであろう」

 マキャベリ「君主論」から。マキャベリは15世紀終わりから16世紀初期、フィレンツェ共和国の官僚として外交軍事を担った。外国勢力も入ってイタリアが混乱していた時期である。マキャベリのレアリズムは、国家の独立を保つためのものだったといってよい。

(次ページは)「矛」の議論も…

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