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変態予告 クラゲ5千匹を360度パノラマ観賞 京都水族館

 国内最大級の完全人工海水を使用した内陸型水族館「京都水族館」(京都市下京区)は平成24年の開業以来、延べ1千万人を超える来館者を集めてきた。今夏には、開館以来初の大規模リニューアルを実施、西日本最大級となるクラゲ展示エリア「クラゲワンダー」を新設する。形や色が特徴的な約20種5千匹を展示し、クラゲが漂う様子を360度パノラマで鑑賞できる。今や京都の人気スポットの一つとして親しまれる同館に新たな魅力が加わる。  (桑村大)

生き物のように変わる

 変態予告-。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下の5月中旬、地下鉄梅田駅の地下空間に、こう大きく書かれたポスターが何枚も突如現れ、ツイッターなどのSNSで話題となった。文字をよく見てみると、オオサンショウウオやバンドウイルカ、クマノミやチンアナゴ-。京都水族館で飼育展示されている、さまざまな生き物のイラストを組み合わせて形作られていた。

京都水族館が新設するクラゲ展示エリアで飼育展示する予定のアマクサクラゲ(京都水族館提供)
京都水族館が新設するクラゲ展示エリアで飼育展示する予定のアマクサクラゲ(京都水族館提供)
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 実はこれ、同館が7月に控えるリニューアルオープンの告知広告だ。しかし、なぜ「変態」なのか。松本克彦館長(56)は「時代や環境が変化する中、京都水族館もまるで生き物のように次の形態へと変わっていく姿勢を『変態』という言葉で表現した」と説明する。

 リニューアルの目玉の一つとして挙げるのが、新設される西日本最大級のクラゲ展示エリア「クラゲワンダー」だ。アカクラゲやタコクラゲなど形や色が特徴的な約20種5千匹を展示する。クラゲが漂う様子を360度パノラマで鑑賞できる巨大なドーナツ形水槽や、これまでバックヤードで行われていたクラゲの繁殖や生態研究などの様子が見学できるコーナーも整備される。飼育員らとの交流を楽しみながら、クラゲの生態への理解を深められるのが最大の魅力だという。松本館長は「謎の多い不思議なクラゲの世界を新たな発見や驚きをもって体験するエリアにしたい」と期待を込める。

地元の生き物を紹介

 京都水族館は開業以来、「水と共につながる、いのち。」をコンセプトに運営を続けてきた。ペンギンやアザラシなど水族館おなじみの顔ぶれもそろうが、鴨川水系に生息していた国の特別天然記念物のオオサンショウウオなど、京都に住む人たちにとって身近な海や川で見つけられる生き物たちが特に存在感を放つ。

 “地元密着型の水族館”をうたい、京都の鴨川

や由良川を再現した「京の川」や、京都北部の日本海で獲れるイワシの魚群や、京の高級食材として親しまれるアマダイ、そしてエイも泳ぐ「京の海」など9つのエリアで、淡・海水魚など計約250種約1万5千匹を展示飼育する。身近な自然を見つめ直し、命の尊さに向き合ってもらいたい-。そんな信念を込める。

クラゲが漂う様子を360度パノラマで鑑賞できる巨大なドーナツ形水槽のイメージ(京都水族館提供)
クラゲが漂う様子を360度パノラマで鑑賞できる巨大なドーナツ形水槽のイメージ(京都水族館提供)
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 また、平成30年からは新たに「近づくと、もっと好きになる。」をコンセプトに、生き物と飼育員、来館者の3者の距離を近づけるような水族館の実現も目指している。広報担当の前田璃奈さん(25)は「生き物たちが本来持つ、見た目以外の面白さや魅力を伝える企画作りを心がけている」と話し、飼育員が溺愛する生き物への愛を写真や動画などで紹介する「私の愛するいきもの展」など、来館者の好奇心をくすぐるような奇抜な企画の数々を開催してきた。

SNSを活用

 SNSを活用した情報発信にも力を入れている。

 中でも、同館で暮らすペンギン59羽を飼育員が熱心に観察し、親子関係や友人関係、恋愛事情など人間社会を彷彿とさせる複雑な関係性を浮き彫りにしてまとめた「ペンギン相関図」を発表すると、大きな反響を呼んだ。同館公式ツイッターの投稿には約1・4万の「いいね」と1万近く「リツイート」。前田さんは「SNSを通じて、幅広い層の人々にも京都水族館に親しみや愛着を持ってもらえているのが伝わる」と手応えを感じている。

京都水族館が新設するクラゲ展示エリアで飼育展示する予定のサカサクラゲ(京都水族館提供)
京都水族館が新設するクラゲ展示エリアで飼育展示する予定のサカサクラゲ(京都水族館提供)
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 SNSを使った情報発信は、新型コロナウイルスの影響による臨時休館期間中にも生きた。休みを余儀なくされた各地の多くの動物園や水族館が、生き物の様子をSNSで配信する中、検索目印の「#(ハッシュタグ)」を用いた「#休園中の動物園水族館」をつけて投稿することを近畿の各館、各園に提案。その動きは全国に広まった。

 京都水族館も5月4、5の両日には、ツイッターのライブ配信機能を活用してイルカパフォーマンスを配信した。4頭が約15分間にわたってダイナミックな演技を披露する姿は100万人超の視聴者を魅了した。

 今月15日に約3カ月半ぶりに営業再開し、いよいよ来月16日にリニューアルオープンを控える同館。松本館長は「休館中もたくさんの温かい声をもらい、改めて『水族館のある暮らし』の大切さを確認した。来る前と後で何かが変わるような、新たな発見や感動を提供する施設にしたい」と話す。今後もその活動から目が離せそうにない。

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