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猛烈なかゆみ、網戸すり抜ける「スケベ虫」被害増加

 久米島町によると、平成22年から県衛生環境研究所や町などが調査研究。現在は観光地周辺で薬品シートを巻いたペットボトルのわな約700個を設置したり、空港の駐機場に薬剤を散布したりして効果を確かめている。ただ、幼虫の生息場所が特定できていないため、発生抑止にはつながっていないという。

 一方、鳥取県西部の米子市弓浜地区では毎年5、6月に最盛期を迎える。同市では、干拓工事が行われた湖・中海(なかうみ)側で多く見られることから「干拓虫」の通称で呼ばれてきた。

 弓浜地区にある彦名公民館の上坂厚生館長(69)は「畑仕事をしている人には頭を覆って作業している人もいる。大量に寄ってきて仕事にならないという声も聞く」と話す。同公民館では新型コロナウイルス感染防止のため窓を開けて換気しているため、虫よけスプレーが欠かせないという。

雨上がりが危険?

 同市は、平成27年から米子高専や鳥取大とともにヌカカの生態や発生状況などを調査。米子高専の学生らが毎週1回、現地でヌカカを採取、数を集計し、市がホームページで結果を公表している。昨年5~7月に同市の調査に協力する皮膚科を受診した患者は延べ225人に上った。

現地調査で採取したヌカカを数える米子高専の学生(同校提供)
現地調査で採取したヌカカを数える米子高専の学生(同校提供)
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 餌や生存期間など生態には謎が残るが、調査で解明されてきたこともある。

 同市内ではトクナガクロヌカカとイソヌカカの2種類が確認され、吸血するのは雌と判明。朝夕や雨上がりの無風の日に多く飛び回る傾向があり、荒廃農地などに幼虫が生息していることも分かった。

 市は、発生抑制には石灰を散布して土壌をアルカリ性に変えたり、土を掘って卵を掘り返したりすることが有効と分析。昨年度から、石灰散布などを行う自治会や土地所有者に補助金を交付するモデル事業を実施しており、効果を実証して本格的な駆除につなげたい考えだ。

 米子高専の調査によると、今年は昨年に比べてやや発生数が多いという。同高専の伊達勇介准教授は「長袖を着ていても隙間から入ってくるので服の内側にも防虫スプレーをしてほしい」と呼びかける。

 鹿児島大学国際島嶼教育研究センターの大塚靖准教授(衛生動物学)はヌカカの被害が増えてきている状況について、「昔から地域それぞれの呼び名で、季節の虫として住民を悩ませてきた。各地の事例が報告されてきたことで『ヌカカ』被害として認知され、被害を訴える人が増えているのではないか」と推察している。

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