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コロナで問われる災害対策 全避難所の福祉化を

 災害発生時に新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は自治体に対し避難場所の分散化と被災者の体調管理の徹底を求めている。これは、「十分な生活環境が確保されているとは言い難い」(内閣府報告書)とされている従来の避難所のあり方に一石を投じることになる。防災研究者は「南海トラフ地震では広範囲に被害を受け、避難生活も長期化する。コロナ渦を機会に、避難場所の分散化、医療・福祉ケアの充実など避難対策の見直しに着手するべきだ」と呼びかけている。

(編集委員 北村理)

 これまで災害時の避難所としては、行政が指定した学校や体育館などが使われてきた。これらの施設は被災者のプライバシーが保たれない上、トイレや食料の確保、衛生対策などの問題が常につきまとい、「被災者の尊厳を守る観点から、十分な生活環境が確保されているとは言い難い状況」(令和元年、内閣府「避難所の役割についての調査検討報告書」)だった。

 しかし、今回の新型コロナ対策で政府は自治体に対し、(1)指定避難所以外の避難所の開設を図り、ホテルや旅館などの活用も検討(2)親戚・知人宅への避難の検討(3)避難所では被災者が到着時に健康確認を開始(4)避難所の衛生環境を確保する-などの取り組みを求めた。これらは従来の避難所が抱えていた問題の解消にもつながる事項だ。

 避難所対策に詳しい矢守克也・京都大教授は「南海トラフ地震が懸念される今後30年間は高齢化のピーク。全避難所の福祉化は避けられない」と指摘。新型コロナ対策について「感染防止のために全被災者の手厚いケアが必要であり、今回の経験を機会に全避難所で被災者本位の医療・衛生・福祉対応充実にかじを切るべきだ」と主張する。

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