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確率「2万~3万分の1」の賭け 新薬開発、稼ぎ頭「オプジーボ」 小野薬品の業績に影響も

 小野薬品工業と本庶(ほんじょ)佑(たすく)・京都大特別教授が対立する背景には、新薬開発をめぐる製薬業界の構造がある。創薬の成功確率は「2万~3万分の1」ともされ、企業にとってはリスクが高い事業。小野薬品とすれば実用化が不透明ななかで稼ぎ頭に育て上げており、訴訟の行方次第では今後の業績に影響する可能性もある。(岡本祐大、山本考志)

 小野薬品のオプジーボ関連の収入は平成26年9月の発売から累計で5千億円以上にのぼる。令和2年3月期は製品売上の4割を占める主力商品に成長。全社売上高を約2倍に押し上げた成長の原動力だ。

 小野薬品は本庶氏への支払いに備え、今年3月時点で約200億円の引当金を積んでいるものの、本庶氏との争いが特許使用料の見直しや本庶氏が求めている京都大学への寄付金の積み増しに発展すれば、経営にも影響しかねない。

 また、政府が社会保障費抑制の目的で進める、高額薬の薬価改定も不安要因だ。オプジーボは発売時の100ミリグラムあたり72万9849円から段階的に引き下げられ、現在は4分の1以下。処方量は拡大しているものの売り上げが落ちている状況だ。

 本庶氏との共同開発が始まった平成4年、抗がん剤の開発を手掛けたことがない同社内では消極的な意見も少なくなかった。医療現場には免疫の力で治療することに懐疑的な見方があり、臨床試験を進めるための病院探しもハードルだった。投じた開発費用は「少なくとも数百億円」とされ、中堅製薬企業にとっては大きな経営判断だった。

 新薬開発が失敗すれば、株主からの批判は避けられない。ニッセイ基礎研究所の篠原拓也主席研究員は「1年に1度も新薬を発売していない製薬会社は珍しくない」と開発の難しさを指摘。さらに近年はAI(人工知能)を用いた研究が進むなど、開発費が増加傾向にあるという。

 産学連携の成功例とされながら「取り分」をめぐってこじれている両者。産学での知財管理はどうあるべきか。

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