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コロナ禍が際立たせる「日本遺産」の存在意義 

 その土地の歴史や風習、文化財を地域活性に活用する「日本遺産」に大阪府内から河内長野市と泉佐野市が認定されてから1年たった。観光客誘致につなげようと関係者は期待をふくらませてきたが、成果はまだ見えない。さらに予定していたPR活動が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止されるなど逆風も吹く。文化財の活用を訴える文化庁の肝煎り事業でありながら、知名度の低さや事業評価のあいまいさも指摘される日本遺産の制度。認定を受けた自治体はブランド確立への模索を続けている。    (大島直之)

認定後の影響は…

 中世に南朝の拠点が置かれた観心寺と金剛寺を中心に発展し、街道も整備され、宿場町としても栄えた河内長野市は昨年5月、「中世に出逢えるまち」として日本遺産に登録された。ほぼ同時期に世界文化遺産の登録が決まった百舌鳥(もず)・古市古墳群を抱える堺市などとも連携して市は「観光客を呼び込みたい」と期待を寄せてきた。

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 しかし、認定から1年、同市を訪れる観光客の数に劇的変化はない。南北朝時代、楠木正成が何度も必勝祈願したという金剛寺の堀智真(ほりちしん)座主も「認定後の参拝客数はそれほど変わっていない」と明かす。金堂に安置される大日如来坐像が平成29年に国宝指定を受けたさいなどは参拝客が直近の2~3年前よりも約3割増だったのに比べ、日本遺産認定の影響は参拝者数に反映されなかった。「来ていただくための公共交通手段も少ない。周辺には観光名所や飲食店などもなく、多くの方に楽しんでもらえるような受け入れ態勢、環境が整っていない」と話す。

地元での反応

 楠木一族の菩提寺を抱える観心寺の永島全教(ぜんきょう)住職も「参拝者が目に見えて増えるということはない」と話す。ただ、「地元の人の意識は徐々に変わりつつあるのでは。認定を機に有志が観光冊子の活用を考えだすなど、歴史文化を地域活性につなげようとする機運は高まってきた」と考える。

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