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【ビブリオエッセー】群れないひとり旅は心も軽く「ひとりで生きていく」ヒロシ(廣済堂出版)

 ステイホームの日々に、ひとりの時間をつらく感じた人もいれば解放感に浸った人もいるだろう。SNSなど現代は常に誰かとつながっていることを求めたがる。しかし、ひとりぼっちは決して不幸ではない。

 著者は「ヒロシです。」でブレークした芸人で、現在は、ひとりで楽しむソロキャンプのYouTuberとして活躍しているが、一発屋と呼ばれ、もがき苦しんだ過去がある。

 この本は集団でいることを苦手とする著者の自分流生き方のエッセー集。「ひとりで生きる。それは旅をするように日々生きるということ」だと述べる。ひとりは自由。他人に期待しない。等身大の自分を生きる。自分の置かれた環境がつらいなら自分が快適に生きられる方法を模索し続けることが大切だと説く。

 群れから離れてひとりでいる人間を「かわいそうだ」と決めつける社会の空気を変えるのは難しい。ならば「ひとりは不幸せなことではない。自由で生きやすいものだ」という考え方に自らシフトチェンジし、生きればよい。

 このひとり人生哲学に共鳴した。ただしヒロシのいう「ひとりで生きていく」とは、俗世間との関係を断ち切って世の中を渡っていくことではない。ひとりよがりに生きることでもない。他人に乱されることなく、自分らしく、気持ちよくあり続けるということだ。

 コロナ禍で人間の本質が見えて幻滅したりもするが、それは勝手に、他人に期待していたからなのだ。社会にはびこる同調圧力に屈せず、自分を守るためにも、人との距離を適度に保ちたい。「距離をとる生活」はこの先も続くだろう。ひとりでいるこの時を、人間関係や生き方を見直すチャンスだととらえれば、きっと心も軽くなるはずだ。

 名古屋市昭和区 和可子43 

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

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