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宣言1カ月変わる暮らし 苦境にも活路

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言が7都府県に発令されてから、7日で1カ月がたった。当初6日までとされた宣言の期間が延期され自粛ムードが続く中、人々の暮らしは大きく様変わりした。そのあおりで多くの企業や事業主が損害を受けているが、苦境の中にも活路を見いだし、前を向いて歩こうとしている人たちがいる。(入沢亮輔、江森梓)

飲食はテークアウト

 「先が見えない中で、悩みながらやっています」

 大阪市浪速区の鶏料理店「二尺七輪 鳥玖(とりきゅう)」のオーナー、松浦貴宏さん(41)はこう打ち明ける。宣言に伴う人々の出控えを受けて同店では4月8日から店内飲食をやめ、弁当などの店頭販売を始めた。店内飲食と比べると手間がかかる一方で単価は安い。

弁当などの店頭販売に切り替えて営業を続ける鶏料理店「二尺七輪 鳥玖」=7日午後、大阪市浪速区(寺口純平撮影)
弁当などの店頭販売に切り替えて営業を続ける鶏料理店「二尺七輪 鳥玖」=7日午後、大阪市浪速区(寺口純平撮影)

 松浦さんは「店を維持するにはこれしかなかった」としつつ、「今まで店に来なかった人でも、『弁当なら』と買ってくれることもある。新しい客を獲得する機会ではある」とも話す。

 自宅で食事する機会が多くなるなど客側の意識にも変化が生じている。店を訪れた近くの製造業の男性(63)はこれまで外食が多かったというが、「今は持ち帰りが多い。家の近くにテークアウトできるところがあってありがたい」。その上で「飲食業界の人も大変だと思う。早く元通りの街になってほしい」と話した。

在宅勤務に課題も

 企業の「働き方改革」も一気に進んだ。

 文具大手の「コクヨ」(大阪市)では、4月10日に、最初の宣言の対象となった7都府県の事業所やグループ会社18カ所を閉鎖。約3千人を在宅勤務とし、社員のネットワーク環境を整備した。管理部門で働く40代男性は「通勤が不要なことや家事に参加できるところがいい。それぞれの家庭に合わせた働き方を考える機会になったのでは」と話す。

 課題もある。「対面での営業ができないと新規顧客獲得が難しく、長期的には事業が拡大できない」と指摘するのは、4月から全社員が在宅勤務というソフトウエア開発会社「フェンリル」(同)の担当者だ。

 社員同士の意思疎通も悩みの種で、オンライン上の会議で互いの仕事の確認をしているが、「これまでなら顔を合わせていれば確認できていたことでも、それぞれの作業でずれが出てくる可能性もある」と在宅勤務の長期化に懸念を示した。

レジャーはオンライン

 休業を余儀なくされたレジャー施設は、オンライン上に活路を見いだすところも増えている。

 休園中のテーマパーク「アドベンチャーワールド」(和歌山県白浜町)は、人気のジャイアントパンダの様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で毎日配信。担当者は「動物たちの魅力の新たな発信の仕方を考えるきっかけになった」と話す。

 例年なら大型連休中はにぎわうキャンプ場も多くが休業に。自宅でテントをはる「おうちキャンプ」が注目を集めているが、大阪市福島区の男性会社員(38)は4歳の娘と一緒に自宅に新聞紙でテントを作って休日を過ごしたといい、「家にいながらいつもと少しちがう気分が味わえ、新しい発見があった」と笑顔を浮かべた。

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