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無観客オペラ、世界に反響 びわ湖ホールの挑戦

 国内外の一流の音楽家やダンサーが集う大津市の滋賀県立びわ湖ホールも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、公演が相次ぎ中止に追い込まれている。そんな中、山中隆館長(65)は3月、「音楽が人々の心の支えになってほしい」との思いから、日本で初めて大規模オペラの無料ライブ配信を敢行した。いまだ収束の兆しは見えてこないが、「必ず皆さんに舞台芸術を届けられるように負けずに頑張りたい」と前を向く。

◆引き下がれない

 県から同ホールに主催事業の公演を取りやめるよう通達があったのは2月末。事業の中には同ホールが制作に約6年を費やしたオペラの大作、リヒャルト・ワーグナーの「ニーベルングの指環」の完結編「神々の黄昏」も含まれていた。

国内外の一流の音楽家やダンサーが集う滋賀県立びわ湖ホール=大津市
国内外の一流の音楽家やダンサーが集う滋賀県立びわ湖ホール=大津市
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 大規模な舞台演出や多くの出演者を動員することから、限られた劇場でしか上演することができないとされる同作品。1作目から4作目まで全て上演した劇場は世界でも数少ない。「びわ湖ホールとしても全力を投じてきた作品。はい、そうですかと簡単に引き下がることはできなかった」と山中館長は振り返る。

 「どうにかしてお客さんにオペラを届ける方法はないのか」と模索していたところ、無観客で上演し、その様子をブルーレイで販売することを思いついた。さらに動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」でライブ配信することができることも知り、「これは面白い」とすぐさま実施を決定した。

 すでに公演直前。演出家や出演者に伝えるには大きな勇気が伴ったが、予想とは裏腹に出演者らは拍手で歓迎してくれた。演出家のミヒャエル・ハンペ氏が「観客よりもカメラは厳しいぞ」と呼び掛けると、出演者、スタッフらが一丸となり、公演の成功へ向けて一気に士気が高まった。

 公演の動画は2日間で延べ40万人以上が視聴。日本だけでなく、ドイツやインド、台湾、韓国など約30カ国からも視聴され、大きな反響を呼んだ。チケットは払い戻しとなったが、「本当に良いものを見せてもらったので、チケット代を寄付に充ててください」と申し出る人もいたという。

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