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オンラインで籠城 大阪城はコロナ後見据え策を練る

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた大阪城天守閣(大阪市中央区)の臨時休館は、2月29日から2カ月以上にわたって続いている。「予想もしていなかった最悪な事態」と嘆く北川央(ひろし)館長(58)らスタッフだが、休館がさらに長引くことに備えた魅力発信の仕掛けや感染終息後に来館者を呼び戻す「逆襲策」の準備も、抜かりなく進めている。

 訪日外国人の増加やNHK大河ドラマの効果もあって、ここ数年は年間入館者数が200万人を超え続けている大阪城天守閣。平成29年度には、大阪市の人口(約271万人)を超える約275万人が来館した。

 外国人では入館者数トップだった韓国人の訪日自体が激減した令和元年度は約218万人に落ち込んだものの、それでも過去5番目の人数だった。

 しかし、感染拡大が明らかになり始めた2月以降は状況が一変。28日までオープンしていた2月は前年同期比でほぼ半減の約10万人にとどまり、3月、4月は当然ゼロだ。

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 今年のゴールデンウイークは、大阪城を築いた豊臣秀吉が初めて城主になった長浜城(滋賀県長浜市)と連携した特別展や、本丸広場でのファミリーフェスティバルを予定していたが、開催見合わせ。放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀とは、織田信長の下で出世を争った好敵手だったとのつながりで企画した「秀吉の足跡を巡るスタンプラリー」も休止状態だ。

 「5月6日までとされた緊急事態宣言だが、延長は確実」。そう判断していた同館は、「長期化」に備えて、インターネット上で所蔵品の魅力などを紹介する「オンライン展覧会」の開設を検討。これまでは、「実物を目の当たりにした感動や衝撃を楽しんでもらうため」、ネットでの公開を避けてきたが、「今回ほどの事態になれば話は別」と解禁した。

 「実物をぜひ見てみたいという衝動にかられた多くの人たちが、リアルの展覧会に詰めかけるようなシステムを考えている」と広報担当者は自信を見せる。

コロナ禍に、手をこまねいてはいられない」と語る北川央館長
コロナ禍に、手をこまねいてはいられない」と語る北川央館長
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 その「リアルイベント」が開催できるのは、事態が収束して施設が再開されてから。多くの来館者でにぎわう状態に戻るには時間がかかると予想する同館は、「地に足の着いた大阪の歴史再発見プログラム」などによって、まず国内からの観光客を徐々に呼び戻すところからスタート。コロナ禍で国内旅行に目を向けた“海外旅行派”を呼び込むことも視野に入れる。

 「史跡や伝統文化など実はすばらしい資源にあふれた大阪に、歴史観光を根付かせるチャンス」と北川館長。「恐れるばかりではなく、現代人の英知を集めてこの未曽有の『大災害』を克服し、一日も早く日常生活を取り戻せるようになってほしい」と、感染終息を待ち望んでいる。(高橋義春)

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