【NEWS Why? ニュースを知りたい】マスクでランニング どんなリスクが
新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が求められ、大型連休中も観光地などに出かけない中、公園や近所でランニングに励む人の姿が目立つ。感染が広がりやすい「3密」を避けられるとして人気を集めるが、マスクをせずに走るランナーの姿もみられ、「息切れしながら近くを走られると…」と心配する声もある。屋外ならば感染を広めるリスクはないのか。(小泉一敏、鈴木俊輔)
「屋外だし、すれ違う程度なら大丈夫。マスクを着けて走るぐらいだったら走らない」
大型連休初日の4月29日、大阪・長居公園。マスクをせずにランニングしていた20代の男性は、こう話し、再び走り始めた。
この日の夕方、マスクを着用していたランナーは全体の半数ほど。マスクをせずに別のランナーと並走したり、追い抜いたりするランナーもいた。
公園内には家族連れも多く、ランナーと近距離ですれ違う場面も。同様の光景は全国でみられ、大阪府東大阪市の男性読者(58)からは《激しく息切れしながら近くを通り抜けていくが、マスクをしなくてもいいのか》というメールが寄せられた。
ランナーがマスクを避けるのは、息苦しさが一因だ。ランニング中もマスクを着けているという50代の男性は「マスクをしながら今まで通りに走るのは、正直苦しい。だいぶゆっくり走っています」と話す。
スポーツ庁が呼びかけ
「ランニングでは同じコースを走る人が多い。また、呼吸も荒くなる。当然感染が広がるリスクはある」と話すのは兵庫医科大の竹末芳生(たけすえ・よしお)主任教授(感染制御学)だ。屋外であることから、ランナーを含め、公園には多くの人が足を運ぶが、竹末氏は「3密は3つそろわなかったら安全、ということではない」と指摘。「公園で遊ぶ人も含めて、マスクの着用や手洗いを徹底すべきだ」とする。
「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」を確保するのに2メートルの間隔を取ろうといわれるが、ランニングの際はさらに間隔を空けることが望ましいとされ、国や自治体もランナーに注意を呼びかける。
スポーツ庁は、ランニング時のマスクの着用や周囲のランナーと間隔を空けることなど、屋外で運動する際の注意事項をホームページに掲載。東京都千代田区も、皇居外周を走る「皇居ランナー」に対し会員制交流サイト(SNS)で注意すべき点の周知を図っている。
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