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【脳を知る】認知症、本人同士話しあえる居場所作り

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認知症の人が集まれる場を
認知症の人が集まれる場を

 「まわりから、自分が認知症であることを認めてもらえないのがつらいんです」

 私の物忘れ外来に通院されている70代の男性の方が、こんなことを言われました。自分が認知症で病院で診てもらっていると言っても、同年代のまわりの人からは、「それぐらいの物忘れは、みんなあるよ」と言って、その方の生活での不安や、つらさを分かってもらえないと言うのです。

 この方は数年前に物忘れのために生活での失敗が増え、私の物忘れ外来に受診されました。約束していた会議を忘れてしまったり、駐車場で車をどこに置いたか忘れたり、畑に鍬(くわ)や鎌を忘れて探すのに時間がかかったりといったことがあるとのことでした。

 物忘れを調べる簡単な検査をしても、ほぼ満点近くの点数でしたが、脳のMRIでは海馬(かいば)の萎縮がわずかに認められ、「早期のアルツハイマー型認知症」と診断しました。

 その後も、それほど症状は進行することなく、生活では、二つ三つしないといけないことがあると、一つ忘れてしまうようなことがあるけれども、メモをとるなどで、補っているとのことでした。

 しかし、失敗してしまう不安や、忘れてしまうつらさは、常につきまとっており、ある時、冒頭の「自分が認知症であることを認めてもらえないのがつらい」という本人の気持ちを言ってくれました。

 そこでこの方は、認知症の本人同士が集まって相談できる場が必要と思うようになり、地域包括支援センターと協力して、この方を中心に、患者本人同士が集まれる会を作ることになりました。(確かにその当時は、認知症の介護者が集まって相談できる場はありましたが、本人同士が集まる場は私の地域にはなかったのです)

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