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宣言2週間 「営業に葛藤」お好み焼き店主の苦悩

カープファンも集まる「お多福」。葛藤しながら営業を続ける=21日午後、大阪市福島区(恵守乾撮影)
カープファンも集まる「お多福」。葛藤しながら営業を続ける=21日午後、大阪市福島区(恵守乾撮影)
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 「このまま営業を続けていいのだろうか」。新型コロナウイルス感染拡大で、飲食店経営者は「対策」と「生活」の間で揺れている。21日で、7都府県に緊急事態宣言が出されて2週間を迎え、大阪府が飲食店などに休業や営業時間の変更を求めて1週間ともなった。大阪市福島区で営業を続ける広島風お好み焼店「お多福(たふく)」を経営する久志正雄さん(47)も葛藤も抱えながら店に立っている。(小泉一敏、石川有紀)

一家4人を養うためにも

 「ようやくこの時間に店を開けるのに慣れてきましたね」。午前11時半、鉄板の火を入れながら笑みを見せる。鉄板に広げた生地の上にたっぷりとキャベツを乗せ、こだわりの麺と合わせて焼き上げると食欲をそそる香りが広がった。

 居酒屋の店員をしていたが、妻が広島県出身だったことから「広島の郷土料理としてお好み焼きを食べてほしい」と、平成20年に開店した。夜行バスで大阪から広島に通って学ぶなどし、「本場の味」として大阪在住の広島出身者でにぎわう店となった。

 店内には、大型テレビ2台と80インチのスクリーンを設置。プロ野球のシーズンにはカープファンが集まる店としても知られている。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で、売り上げは激減した。3月は予約キャンセルが相次ぎ、昨年同月比で売り上げは半減。もともと夜のみの営業だったものを、4月8日から昼営業も始めたが、4月は同8割減の状態で、客は1日平均5人ほどに落ち込んだ。

 感染が拡大し、緊急事態宣言や休業要請が出て切迫感が増している中で、「店の営業を続けていいのかとの迷いがある」。だが、売り上げはなくても、家賃や人件費、光熱費などの固定費が毎月80万円必要になる。小学6年の双子の男児(11)と一家4人の生活がかかっており、影響が長引くと蓄えも取り崩さざるを得なくなる。

あの手この手をしているが…

 「このままじっとしていられない」。昼営業や持ち帰りを始めたことを伝えるため、千円分の商品券をつけたチラシ3千枚を作成して配ったり、約2千人が登録する店の会員制交流サイト(SNS)に投稿したりした。

 だが、翌日、客は持ち帰りのみの1人だけだった。「予想はしていたが、厳しさを思い知った」と振り返る。

 今度は当座の現金収入を得るために商品券付きの先払い支援システムを導入した。5千円の「支援金」を所定の銀行口座に振り込むと、5500円分の食事券として利用することができる仕組み。食事券の使用期限は11月末で、常連客を中心に遠方からも含め約25万円が集まっているという。

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