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競歩五輪代表の藤井菜々子 1年延期に「世界との差を縮められる期間」

全日本競歩能美大会の女子20㌔で優勝した藤井=3月15日、石川県能美市(恵守乾撮影)
全日本競歩能美大会の女子20㌔で優勝した藤井=3月15日、石川県能美市(恵守乾撮影)

 2020年東京五輪女子20キロ競歩代表の藤井菜々子(エディオン)が1年後の開幕が決まった五輪を見据え、延期決定直後から練習を再開している。競技を始めてまだ4年近くだが、競技者としての最終目標は五輪での金メダル獲得と明確だ。その夢に向け、東京五輪を“スタートライン”と捉える20歳の新鋭にとって、延期期間は成長を遂げるための大事な期間となっていく。(宇山友明)

 大会延期が決定してから2日後の先月26日。大阪府内にある同社の陸上競技部寮付近では、練習を再開して黙々と歩き続ける藤井の姿があった。すでに来年7月23日の大会開幕に向けて気持ちも切り替えており「1年延期になったことで世界との差を縮めることができる」と前向きだ。

 初の世界選手権出場となった昨秋のドーハ大会では同種目で7位に入賞。今年1月に発症した右股関節の滑液包炎からの復帰戦となった先月15日の全日本競歩能美大会では代表入りも決めたが、その後すぐに大会の延期が決定した。それでも動揺することなく、現在も週6日の練習に取り組み続けられる理由を「楽しみが1年先延ばしになったという感覚でマイナスに捉えていないから」とポジティブに話す。

 ただ、新型コロナウイルスの影響が練習面に支障をきたしている現状もある。ウイルス対策として新幹線での移動を制限しているため練習拠点としてきた味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)での練習は自粛。石川県小松市在住のコーチから指導を直接受ける機会もなくなったので、今は自身のフォームを動画で撮影し、その動画をコーチに確認してもらっている。また、大会の中止や延期も相次いでおり、実戦でのコンディション調整ができないという不安もある。ただ、そうした状況下でも「深く考えない性格ですから」とおどけながら、「目標を見失わず、気持ちをコントロールすることが大切」と冷静に話す。

 福岡・北九州市立高2年時に日本陸連の強化育成プログラム「ダイヤモンドアスリート」の指定選手に選ばれて以降、抱き続けてきたのが「競歩で(世界と)戦いたい」という気持ち。最近では代表選手としての自覚も芽生えてきており、「競歩を普及させたいし、日本代表として各国の選手にも勝ちたい」という意欲も出てきた。

 五輪の延期という前例のない非常事態の中で常に高いモチベーションを維持し続けられるのも、24年パリ五輪、28年ロサンゼルス五輪のいずれかで「金メダルを獲得する」という大きな目標を胸に秘めているから。それだけに入賞を目標に掲げる東京五輪は、今後の競技人生を見据える中で「挑戦の大会」という位置づけだ。「4年後、8年後に金メダルを獲得できる選手になるためにも、東京五輪では次につながるようなレースをしたい」。思いを募らせつつ、まずは延期期間で実力をつけ、来年の開幕に備えるつもりだ。

     ◇

 ふじい・ななこ 1999年5月7日生まれ、北九州市出身。北九州市立高2年時から競歩に挑戦。昨秋の世界選手権(ドーハ)では女子20キロ競歩で7位に入賞した。同種目の自己記録は日本歴代4位の1時間28分58秒。5000メートルと1万メートル競歩のU-20(20歳以下)日本記録保持者でもある。

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