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【一聞百見】猫も人も幸せな社会をめざして 獣医師・一般社団法人Happy Tabby代表理事 橋本恵莉子さん

 さらに力を入れているのは、子供や学生対象の「命の教室」活動だ。「おうちの環境によると思うのですが…」と橋本さんが切り出した話は、少なからず今起きている動物虐待などの問題とかかわりがあるように思えた。「家にペットがいる子もいれば、生き物と触れ合う機会が少ない子もいます。そんな子供たちに『猫もたたかれたら痛いねんで』というと、『あ、痛いんや』と、初めて知る。幼い頃から命を慈しむ気持ちを持ってもらえれば、社会も随分変わるのではと思います」

 <先月26日、警察庁が発表した昨年の動物愛護法違反の虐待摘発件数は過去最多の105件。5年前の2倍以上にのぼり、最も多い66件が猫、次いで犬27件だった>

 虐待や多頭飼育崩壊、地域猫活動(飼い主のいない猫を増やさず見守る活動)をめぐるあつれきやトラブル。手術をして耳の先をカットした猫をもといた場所に放し、面倒をみる「TNR活動」への理解も橋本さんはまだまだだと感じている。そうした問題は結局、人間が作りだしたもので、人間が解決していくしかないのだ。

橋本さんが公開した「あるすてねこさんのおはなし」(ユーチューブから)
橋本さんが公開した「あるすてねこさんのおはなし」(ユーチューブから)
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 橋本さんには大きな目標がある。財団の活動に賛同してくれる企業を集め寄付を募って、野良猫の不妊去勢手術を無料にすることだ。無償化のための助成金基金構築である。「環境保護や子供たちへの支援、文化活動など、企業の社会貢献にはさまざまな分野がありますね。その選択肢の一つに、野良猫を減らす活動を加えてほしいのです」。年に何万頭という猫が全国で殺処分されている。そのコストを考えれば、発想の転換はできないか。野良猫を増やさない努力をすることである。

 「『タダやから病院に連れて行こう』って。無料になればハードルはずっと下がる。理解が広がり賛同者が増えれば相乗効果が出るでしょう。かっこよくいえば、世の中を変えたい。道は開けると信じています」

【プロフィル】はしもと・えりこ 大阪府出身。大阪府立大学農学部獣医学科卒、動物病院勤務などを経て平成30年、八尾市に完全予約制の猫の不妊去勢手術専門病院「ハッピータビークリニック」を開業した。翌令和元年11月、猫の不妊去勢手術の無償化を目指す助成金基金の構築を図って「一般社団法人Happy Tabby」を設立、代表理事に。野良猫を捕まえて不妊手術を行い元の場所にもどす「TNR活動」の啓発、捨て猫や動物虐待をなくそうと子供たちに命の大切さを伝える「命の教室」活動などを行う。2児の母。

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