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「こんな静かな夜は…」人が消えた大阪・キタの24時間

緊急事態宣言の効力発生からまもないJR大阪駅前は、人通りも少なく、閑散としていた=8日午前0時、大阪市北区(鳥越瑞絵撮影)
緊急事態宣言の効力発生からまもないJR大阪駅前は、人通りも少なく、閑散としていた=8日午前0時、大阪市北区(鳥越瑞絵撮影)
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 街から人が消えた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が発令した緊急事態宣言。居酒屋やバー、百貨店の営業自粛が広がり、企業では在宅勤務の導入が本格化した。人々は感染を避けるように先を急ぎ、シャッターと貼り紙が店の休業を告げる。大阪・キタの24時間を追った。

《7日19・00 北新地》

 テレビが安倍晋三首相の記者会見を伝える。夜の街は感染拡大のあおりを大きく受け、すでに休業している店が目立つ。バーを切り盛りする男性(42)は「検温、換気、人数制限とあらゆる対策をしている。北新地は大阪にとって必要な場所。緊急事態宣言が出ても営業を続ける」。この日も、いつも通りにカウンターに立った。

 時間を追うごとに、人通りは減っていった。

《8日0・00 北新地》

 スマートフォンに緊急事態宣言が効力を持ったことを知らせる速報が届く。

 「緊急事態宣言まで出たら、ゴーストタウンになってしまう」。3月から個人タクシーを始めた南弘之さん(58)は嘆く。約200万円の初期費用がかかったが、前夜の売り上げは目標のわずか10分の1。3時間待って最初の客を乗せ、真新しいハンドルを握った。

《7・56 JR大阪駅》

電光掲示板で緊急事態宣言のニュースが流れる中、マスク姿の通勤客が足早に勤務先へ向かった=8日午前7時30分、大阪市北区のJR大阪駅(鳥越瑞絵撮影)
電光掲示板で緊急事態宣言のニュースが流れる中、マスク姿の通勤客が足早に勤務先へ向かった=8日午前7時30分、大阪市北区のJR大阪駅(鳥越瑞絵撮影)
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 朝が来た。通勤途中のサラリーマンたちが足早に通り過ぎていく。

 金融機関に勤める吉田昌平さん(26)は大津市から電車で出勤。「車内は普段と変わらずの混雑。テレワークができる仕事ばかりではないし」。ベンチで缶コーヒーを飲み干すと、職場へと向かった。

《10・31 梅田駅地下》

 「えらい世の中になってもうた」。大荷物を抱えた無職の女性(71)が途方に暮れていた。

 持病の検診のため泊まりがけで和歌山県白浜町から来阪。高速バスが間引き運転となり、14時台まで便がないという。シャッター通りと化した地下街を前に「どないして時間つぶそう」とつぶやいた。

《10・38 阪神百貨店》

 緊急事態宣言前に取り沙汰された大阪府による休業要請は出されないまま、「自粛」の2文字だけが独り歩きする。全面休業する施設がある一方で、阪神、阪急の2百貨店は食品売り場のみ営業。通常より開店時間を1時間遅らせた。普段の開店時間に合わせて店を訪れ、戸惑う人の姿も。

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