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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】コロナ大騒動の気晴らしに…

 「その芸名はけしからん。お国が戦時中なのにふざけてる!」

 国がそう言い出して、芸名を今まで通りには使えなくなってしまったことがある。それがちょうど80年前、1940(昭和15)年、3月のことである。

 『昭和史全記録』(毎日新聞社)を読んでいたら、内務省が槍玉にあげたのは、外国人のような芸名を使っている者。たとえば、ミス・コロムビア、ディック・ミネ。

 それから、歴史上の有名人である藤原鎌足(ふじわらのかまたり)をもじった、藤原釜足。

 あるいは、「御幸」(みゆき)という言葉があり、広辞苑にも「天子または上皇・法皇・女院の外出」と説明されているが、この言葉を芸名の一部にしている園御幸(その・みゆき)、吉野みゆき。

 さらには、語呂合わせが過ぎるし名指しされたのが、尼(アマ)リリス。

 国家総動員体制を旗印にしているときに、これらの芸名は何だと、キリキリ声をあげた人物が、政府内にも国民にもいたということなのだろう。

 だけど、こんなときにも、競馬って、やってたんだよなあ。1940年4月7日には中山大障害(当時の名称は中山農林省賞典障害)が8頭立てで行われて、人気の1頭キヨクジツが勝っている。旭日とは“朝日”のことだから、当時はやはり、馬名もこういう景気のよいものが好まれたのだろう。

 現在はコロナ大騒動の真っ最中だが、今週も競馬は行われる。GIの高松宮記念である。外出自粛でみんな鬱屈としているが、テレビ中継の競馬が気晴らしになったらいいなあと思う。熱戦が繰り広げられて、ぜひそうなってほしい。

(競馬コラムニスト)

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