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小劇場に宿る演劇愛 ウイングフィールドの福本年雄さんがバックステージ賞 

小劇場「ウイングフィールド」を経営する福本年雄さん。芝居や劇団への情熱とぬくもりが、心を支える=大阪市中央区のウイングフィールド(渡部圭介撮影)
小劇場「ウイングフィールド」を経営する福本年雄さん。芝居や劇団への情熱とぬくもりが、心を支える=大阪市中央区のウイングフィールド(渡部圭介撮影)

 平成4年に誕生した小劇場「ウイングフィールド」(大阪市中央区)。劇場を運営する福本年雄さん(66)が昨年、舞台芸術の「裏方さん」を表彰する「ニッセイ・バックステージ賞」に選ばれた。経営は苦しいというが、「絵画にいろいろな大きさのキャンバスがあるように、劇場の規模に合わせた演劇があってもいいと思うんです」。芝居に対する愛情はどこまでも深い。(渡部圭介)

客と交流できる空間

 大阪のメインストリート・御堂筋。心斎橋付近は高級ブランド店が入るスマートなビルも目につくようになったが、路地に入ればにぎやかな看板が目につく。小劇場「ウイングフィールド」は、そんな景観の中にたたずむ、古い雑居ビル内にある。

 ステージと客が座るスペースを合わせても約100平方メートルしかない。演劇の世界では劇場のことを「小屋」と呼ぶが、その表現にピタリと合う。「表現者と客が交流できる空間。“小屋”とはそういうものですよ」と福本さん。「私自身は演劇の経験がないので、演劇観みたいなものはありません」とも打ち明ける。

 なぜ劇場を作ったのか。ふいに見た芝居に感動したことがきっかけだが、原点は学生時代に音楽バンドを組んで活動した経験。「客が乗れば一体化できるけれど、乗らなければ離れてしまう。そんな空間的な面白さを知り、ライブハウスのような芝居の劇場を作ってみたかった」

ブーム去り苦境続き

 すんなり、作れたわけではない。演劇経験がないこともあり、協力してくれる演劇関係者を探したが「もうからない」などの理由で断られ続けた。粘り強く協力者を探していると、演劇プロデューサーの故・中島陸郎氏と出会う。

 「劇団☆新感線」といった、今や全国的な人気を誇る劇団を発掘した中島氏は「野戦病院みたいな雰囲気の実験空間にしよう」と福本さんの思いに共鳴。4年、ウイングフィールドは羽ばたく。

 中島氏からは「半年、1年でやめてもいい」、やがては「やめた方が身のため」とも言われたという。福本さんは「気付いたら何年か過ぎていて…アホでしょ」と笑う。

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