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聖火リレー中止2度目のランナー「また幻の走者か」

 「人生で2度も“幻の聖火ランナー”になりたくない」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で東京五輪の延期が決まり、26日から始まる予定だった聖火リレーも中止に。走行予定だったランナーは日程変更後も優先的に参加できるよう配慮されるというが先は見通せず、56年前の前回東京五輪でもリレーを走れなかった大阪府池田市の森純也さん(73)の胸には不安と安堵(あんど)が交錯する。

 前回の東京五輪が開かれた1964年当時、甲陽学院高校(兵庫県西宮市)の陸上部主将を務めていた森さん。聖火ランナーの随走者に選ばれ、「日の丸を背負って走る誇らしさ」に胸を弾ませていた。ところが、兵庫県庁から大阪府庁までつなぐはずだったリレーは、台風の接近で中止になった。

 その後、各国で五輪が開かれるたび、タスキをつなげなかった悔しさを募らせていた森さん。2度目となる東京五輪の開催が決まると、同じ悔しい気持ちをひきずる同校OBらとともに、リレーの再現を目指す「56年目のファーストランの会」(神戸市)を結成した。

「56年目のファーストランの会」のメンバー。手前が森純也さん=兵庫県西宮市
「56年目のファーストランの会」のメンバー。手前が森純也さん=兵庫県西宮市

 当時、聖火をリレーできなかった“幻の聖火ランナー”約700人に参加を呼びかけ、連絡のついたメンバーとともに定期的にジョギングを行うなど準備を重ねていた。そして昨年末、兵庫県内をグループで走る聖火ランナーとして、森さんら同会のメンバー10人が選出された。

 今年5月に兵庫県庁から約200メートルを走る本番に向け、「途切れたタスキをつなぎ、56年前の忘れ物を取り戻したい」と意気込んでいたが、その矢先に新型コロナの感染拡大の影響で聖火リレーが中止になった。

 台風と新型ウイルスという理由で2度もリレー中止の憂き目に遭う数奇な巡り合わせに、森さんは「まさか人生で2度もこんな目に遭うなんて」と苦笑い。一方、今回は大会関係者がリレーに参加する予定だった走者を尊重する意向を表明していることから「リレーを走れるのなら、ありがたい話。56年も待ったのだから、半年や、1、2年待つのは、なんてことない」と望みをつないでいる。

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