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【夜間中学はいま 卒業編(5)】第二の人生 教室から始まった

卒業式で答辞を読む西田淑清さん。「夜間中学で私の第二の人生が始まった」と語る=大阪市(安元雄太撮影)
卒業式で答辞を読む西田淑清さん。「夜間中学で私の第二の人生が始まった」と語る=大阪市(安元雄太撮影)

 中国人の西田淑清さん(74)は昭和62年、残留孤児の夫と二人の息子とともに中国から日本に来た。9年前に大阪市立天満中学校夜間学級に入学したとき、日本語で書けたのは住所と名前だけ。授業中も先生が何を話しているのかまったく分からなかった。だが、今は嫁や孫たちと日本語で会話ができ、携帯電話でメールのやり取りもできるようになった。「夜間中学で私の第二の人生が始まりました」と話す。

 中国・大連で6人きょうだいの末っ子として生まれた。生活苦で中学2年の頃から通学できなくなり、働きながら病気の両親の世話をした。

 日本での暮らしは、日本語が必要な場面はすべて夫に任せていたため、60歳で仕事を辞めるまで「職場と家の往復だけ」。だが、退職から1年もたたずに夫が亡くなると、買い物にも困るようになった。友人から夜間中学のことを聞き、入学した。

 ひらがな、カタカナから学んだ。家の冷蔵庫にも五十音表を張り、毎日見て、読んで、覚えた。日記や作文の書き方を教わり、間違いは先生がすぐに直してくれた。日本語がわかるようになると、国籍も年齢も関係なく級友や先生と話せて、「幸せな気持ちでいっぱいになった。自信もつきました」。

 自校の生徒会会長や近畿の生徒会連合会の役員を務めたことで、先輩たちがいかにして夜間中学をつくり、守ってきたかを知った。心から感謝し、活動に力を入れた。「夜間中学を必要としている人はまだまだたくさんいる。これからも続くように頑張ってほしい」と在校生にエールを送る。

 4月から定時制高校に通う。「私の人生は夜間中学に入学したことで大きく変わった。人生、その気になれば、やり直すチャンスはいくつになってもある。死ぬまで勉強したいです」

 「夜間中学」に関する体験談やご意見、ご感想を募集します。

 住所、氏名、年齢、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要)産経新聞大阪社会部「夜間中学取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはyachu@sankei.co.jpまでお送り下さい。

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