PR

産経WEST 産経WEST

【夜間中学はいま 卒業編(4)】ベトナム人姉妹の努力 母国の蓮と重なり

「夜間中学が大好き。二番目の家族です」と話す姉のニーさん(左)と妹のニャンさん=大阪府八尾市(安元雄太撮影)
「夜間中学が大好き。二番目の家族です」と話す姉のニーさん(左)と妹のニャンさん=大阪府八尾市(安元雄太撮影)

 卒業の喜びを全身で表すかのように、ベトナム人姉妹ははじけるような笑顔で卒業証書を高く掲げ、跳び上がった。大阪府八尾市立八尾中学校夜間学級に2年間通ったグエン・ティ・ゴック・ニーさん(19)とグエン・ティ・ゴック・ニャンさん(18)。4月から定時制高校に進学する。「卒業は寂しいけれど、将来のために頑張る」と前を向く。

 平成29年8月、仕事で先に来日していた両親に呼び寄せられた。二人ともベトナムでは、中学校の途中まで学校に通ったという。

 来日当時、日本語はさっぱりできなかった。「とても困っていました」とニャンさんは振り返る。たとえば病院にかかるにしても症状の説明ができないため、お金を払って通訳について行ってもらった。買い物も日本語表記では塩と砂糖の区別がつかず困惑した。ニーさんも「友達がいなくて寂しかった」と話す。

 市役所に相談すると、夜間中学を紹介された。30年4月に入学。ひらがな、カタカナから学び始め、マスター後は漢字の学習に取り組んだ。「漢字の授業が好きです。成り立ちを勉強するのが面白い」とニーさん。ニャンさんは数学が得意だという。

 ベトナムの国花の蓮は、沼の中で太く長く根を伸ばし、美しい花を咲かせる。「人は自分の人生のために、たとえ泥の中であろうとも努力を続けなければなりません。その努力の結果が大きな実を結ぶことになるでしょう」と作文につづったニーさん。日本で将来目指す道の輪郭が見えてきた姉妹は、高校受験のために毎日始業前に補講を受け、見事に高校合格という蓮の花を咲かせた。

 「夜間中学でいろんな国の友達がたくさんできました」「夜間中学が大好き。二番目の家族です」。二人は花のように笑った。

 「夜間中学」に関する体験談やご意見、ご感想を募集します。

 住所、氏名、年齢、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要)産経新聞大阪社会部「夜間中学取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはyachu@sankei.co.jpまでお送り下さい。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ