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「人のために」心臓移植の高校生が薬科大進学、ハンディあっても夢へ一歩

心臓移植後に「人のためになる仕事に就きたい」という思いを抱き、ハンディを乗り越えて薬科大に合格した男性
心臓移植後に「人のためになる仕事に就きたい」という思いを抱き、ハンディを乗り越えて薬科大に合格した男性
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 拡張型心筋症との闘病の末、心臓移植手術を受けた高校生がこの春、薬科大学へ進学し、薬剤師になる夢への一歩を踏み出す。容体悪化による心停止や脳梗塞の発症により、下半身まひや脳機能障害などのハンディを抱えながらも猛勉強を重ねた。「医療に貢献し、人のためになる仕事に就きたい」。命のバトンを受けた若者は、自らの力で未来を大きく手繰り寄せた。(藤井沙織)

 「ドナーさんのおかげで今の人生がある。共に生きているという感じがする」。近畿地方の高校を今春卒業した男性(20)は、鼓動を確認するように右手を左胸に当て、ゆっくりと語った。

 拡張型心筋症とわかったのは10歳のとき。闘病は苦しいものだった。容体が悪化し、一時は心臓が止まってしまったことも。命はとりとめたものの、後遺症で下半身にまひが残り、今も車いす生活だ。

 補助人工心臓を付け、移植の機会を待っていた際には脳梗塞を発症。視野の右半分を失い、脳機能障害の一つで文字が読みづらくなる「失読症」も残った。

 それでもたどりついた心臓移植。閉ざされていた未来に光が差したとき、芽生えてきたのが「薬剤師になりたい」という思いだった。

 きっかけは、医療チームにいた薬剤師の男性。「副作用の強い薬への疑問に的確に答えて、不安を解消してくれた」。患者に誠実に寄り添う姿に憧れた。

 だが、薬剤師を目指す道のりは厳しかった。もともと勉強は好きだったが、脳梗塞の後遺症で、得意だったはずの計算がうまくできなくなり、勉強してもすぐに頭が疲れるようになっていた。「一度身に付けたものがリセットされて、悔しかった」。中学卒業後は特別支援学校の高等部に在籍。短時間の勉強から始め、少しずつ脳機能の回復に取り組んだ。

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