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閑散とした甲子園球場周辺「当たり前の日常なくなるのが寂しい」

中止が決定した選抜高校野球大会。まもなく大勢の選手や高校野球ファンでにぎわうはずだった甲子園球場周辺はひっそりとしていた=11日午後、兵庫県西宮市(水島啓輔撮影)
中止が決定した選抜高校野球大会。まもなく大勢の選手や高校野球ファンでにぎわうはずだった甲子園球場周辺はひっそりとしていた=11日午後、兵庫県西宮市(水島啓輔撮影)

 19日に開幕予定だった第92回選抜高校野球大会の中止が決まった11日、甲子園球場(兵庫県西宮市)周辺はファンの姿もなく閑散としていた。

 「無観客ででもやらせてあげたかったが仕方ない」。球場そばにある甲子園素盞嗚(すさのお)神社の畑中秀敏宮司(64)はこう語り、理解を示した。

 同神社には毎年、球児らが必勝祈願に訪れるが、今年は新型コロナウイルスを憂慮し、出場校の保護者らが「開催祈願」に訪れていたという。「高校野球というのは、保護者たち裏方で応援する人らも含めて成り立っているんだと思う」と畑中宮司。「そうした裏方を締め出してまで開催するのが果たしていいことなのかと、最近は思うようになっていた」と複雑な胸中を明かした。

 毎年多くの球児や高校野球ファンが験担ぎに名物のカツ丼を食べに訪れる球場近くの「大力食堂」の店主、藤坂悦夫さん(82)は「無観客でもできるだけまし、と喜んでいたのにがっくりです」と肩を落とす。「これまで50年以上、選手やファンのお客さんのおかげで店を続けてこられたが、自分が選手にしてあげられることは何もないなあ」とため息をつき、「みんなにはまだこれから長い人生がある。頑張ってほしい」と声を絞り出した。

 近くに住む保育士の女性(40)は「春夏の高校野球は地元住民にとってはあるのが当たり前の日常。それがないというのはやはり寂しい」とこぼす。

 たまたま用事があって球場に来たという滋賀県守山市の会社員、佐藤祥史さん(55)は息子の母校が2年前の選抜に出場したという。「あのときは選手や父母だけでなくOBやその親まで盛り上がった」と振り返り、「選手も保護者もさぞ無念だろう。何か代替大会のようなものができないものか」と話した。

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