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戦国武将 松永久秀の肖像画を発見 出っ歯だった? 悪人イメージ覆すか 

 戦国武将、松永久秀の実像に近い可能性のある肖像画が見つかり、所蔵する大阪府高槻市が4日、発表した。大河ドラマ「麒麟がくる」にも登場する久秀の肖像画は荒々しい極悪人風に描かれた錦絵がよく知られてきたが、発見されたのは前歯が出ているなどの特徴をとらえた写実的な肖像画で、専門家は「従来の悪人のイメージを覆す貴重な資料」と話している。17日から同市立しろあと歴史館で公開される。

見つかった松永久秀の肖像画。厚い唇で、前歯の出た顔立ちが描写されている=大阪府高槻市の高槻市立しろあと歴史館(彦野公太朗撮影)
見つかった松永久秀の肖像画。厚い唇で、前歯の出た顔立ちが描写されている=大阪府高槻市の高槻市立しろあと歴史館(彦野公太朗撮影)
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 同館によると、見つかったのは掛け軸に表装された縦108・7センチ、横43・6センチの武家肖像画で、正装して座る人物が描かれる。絵の上部には命日と戒名が記されており、久秀を描いたものと断定した。厚い唇で、前歯が出た独特の顔立ちを描写。膝元には茶道具をしまう袋が描かれ、久秀が所有したことで有名な茶入「付藻茄子(つくもなす)」か「平蜘蛛(ひらぐも)」の釜を収めていると推定されるという。

発見された松永久秀の肖像画。顔の特徴が写実的に描かれている=大阪府高槻市の高槻市立しろあと歴史館(彦野公太朗撮影)
発見された松永久秀の肖像画。顔の特徴が写実的に描かれている=大阪府高槻市の高槻市立しろあと歴史館(彦野公太朗撮影)
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 東京都内の古美術商が所有していたものを高槻市が昨年1月に購入し、調査していた。筆致や紙の材質から、久秀の没後まもない16世紀後半に描かれた原本を、18世紀後半ごろに模写したものとみられている。原本の所在は不明だが、歴史館の学芸員、千田康治主査は「原本は法要のため生前に近い時期に制作されたとみられる。肖像画は美化されておらず、原本も久秀に近い人もいる時代に、実物に似せて描かれた可能性が高い」としている。

高槻市立しろあと歴史館に所蔵されている錦絵「松永弾正久秀」。悪人として描かれている=大阪府高槻市(彦野公太朗撮影)
高槻市立しろあと歴史館に所蔵されている錦絵「松永弾正久秀」。悪人として描かれている=大阪府高槻市(彦野公太朗撮影)
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 これまで久秀の肖像画は、信貴山城(しぎさんじょう)で織田信長の軍に追い詰められた末に平蜘蛛釜を割って爆死したとする江戸期の逸話をもとに制作された錦絵がよく知られていた。荒々しい画風で、将軍、足利義輝殺害に加担し、東大寺の大仏殿を焼くなどしたとされる悪人のイメージの定着につながった。

高槻市立しろあと歴史館に所蔵されている錦絵「弾正忠松永久秀」。悪人として描かれている=大阪府高槻市(彦野公太朗撮影)
高槻市立しろあと歴史館に所蔵されている錦絵「弾正忠松永久秀」。悪人として描かれている=大阪府高槻市(彦野公太朗撮影)
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 しかし、天理大文学部の天野忠幸准教授(歴史学)は、その多くは史実ではなく、実際は主君三好家の忠節の家臣として外交や政務に力を発揮した優秀な人物だったと指摘しており、今回の肖像画の発見について「久秀の再評価を進めるうえで貴重な資料となる」と話している。

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