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“就活”にも効果 広がる「自分史」の活用

就職活動サイトで自分史の重要性を説く岡本恵典さん(左)とスタッフの学生=大阪市北区
就職活動サイトで自分史の重要性を説く岡本恵典さん(左)とスタッフの学生=大阪市北区
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 高齢者がカルチャーセンターなどで自分の生涯を振り返り、まとめることが主流だった『自分史』作りが、学生の就職活動や社員研修、介護の現場など、さまざまな場面で活用されている。自己分析しながら自分自身の長所や強みを改めて知り、キャリア形成に役立てるなど、『自分史』を作る過程で得られる可能性が、注目されている。(横山由紀子)

 「就職活動をする上で、自分史は欠かせない存在です」

 そう話すのは学生の就職活動サイト「就活の教科書」(大阪市北区)を運営する岡本恵典さん(28)。同サイト内で、小学校から大学までに「経験したこと」「がんばったこと」「はまっていたこと」などを表にまとめる自分史作りを紹介している。

 月に25万件のアクセスがある。「自分がどういう人間で、どんな価値観を持ち、どういうモチベーションで行動するのかが見えてくる。自分史は自己分析の重要なツールで、自己ピーアールに役立ちます」

 岡本さんは学生から相談を受け、自分史作りをマンツーマンで指導することもある。学生からは「自分の性格が客観的に見えてきた」「向いている仕事が分かってきた」といった反応があり、面接力アップにつながっているという。

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 高度消費社会が到来した1980年代以降、自己表現の手段として巻き起こった自分史ブーム。

 「自分史のすすめ」(平凡社新書)の著書があるジャーナリストの小池新さんは、「カルチャーセンターを拠点に高齢者に流行した自分史需要の波が過ぎたように思う」と指摘する。「自分史が自分探し、あるいは自分が何ものであるかを確認するためのプロセスだと考えると、若年層を中心にさまざまな取り組み方があるだろうし、ますます必要性が増すだろう」と話す。

 商用車のリユース事業などを展開する会社「ZEAL」(神戸市中央区)では、自分史作りを社員研修に取り入れている。創業17年目という新しい会社が差別化を図っていくには、「社員一人一人が自分をどう売り込んでいくかが大事」と人事部長の扇田信一さん(48)。「そのため自分史で過去を振り返り、自分の強みを知るなど、将来のキャリア形成に役立つ研修に力を入れています」と話す。

 社員は、入社数カ月から5年までの間に研修を複数回受け、自分史作りに取り組む。新入社員は小学校から大学までの出来事や思い出、中堅社員は実務に重点を置いた自分史を書いて、その場で発表する。研修後は各職場で上司と自分史について共有し、コミュニケーションツールにもなっているという。

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 もちろん、高齢者の間でも、自分史作りの活用は“進化”を続けている。

 自分史の「教室」に実績のある新聞印刷(大阪市天王寺区)は約1年前から、認知症の予防と抑制を目的に、回想法とアロマの嗅覚刺激を取り入れた自分史作り「自分史レク」を、大阪府内や岐阜県内の高齢者施設で実施している。回想法で昔を思い出しながら、アロマ成分を配合した用紙に自分史をつづるスタイルで、高齢者施設のレクリエーションでの活用を提案している。

 さらに今年1月から2月まで、同様の講座を一般向けに「認知症予防型の自分史サロン」として、大阪府立中之島図書館(同市北区)で開いている。社長の福山耕治さん(50)は、「認知症の予防や進行の抑制など、自分史の可能性を探っていきたい」と語る。

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