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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】ノムさん、さすがの勝負強さ

第54回有馬記念の表彰式でプレゼンンターを務めた野村克也氏(左) =平成21年12月、中山競馬場(宮川浩和撮影)
第54回有馬記念の表彰式でプレゼンンターを務めた野村克也氏(左) =平成21年12月、中山競馬場(宮川浩和撮影)

 「転ぶな 風邪ひくな 義理は欠け」

 これは、2016年に亡くなられた永六輔さんがしばしば紹介していた、老人の健康法。たしか、出もとは名優の長谷川一夫さんだとおっしゃっていた気がする。

 近くの公民館で行われた医事講演会でも、この健康法は「まさしく金言です」とドクターによって紹介された。

 「年配の方は、転んで骨折でもすると骨の付きが悪いし、寝たきりでいるうちに食欲も体力も落ちる。風邪は万病のもと。それから、『義理は欠け』というのはまあ、気の乗らぬ外出はするな、ということです。年をとると、葬儀や会合が増えて、それらに義理堅くすべて出席していると、気がめいって病になりがちという意味です。みなさん、この金言を頭に入れて生活してください」と、ドクターは話された。

 昨年出版された江田智昭さんの「お寺の掲示板」(新潮社)によって、お寺の入り口に設置されている掲示板の、寺それぞれの文言が脚光を浴びたが、うちの近くのお寺では、掲示板にずっと「転ぶな 風邪ひくな 義理は欠け」と書いてある。ご住職に「お寺に対する義理は欠いちゃいけませんよね」と伺ったところ、「お寺に参拝するのは、義理ではなくて、つとめなのです」という答えだった。このお寺では最近、掲示板にもう一つ文言が増えた。「うがい 手洗い よく眠り 急用以外は外(そと)出ない」。これはおそらく、新型コロナウイルスを意識してのものだろう。

 急死された野村克也さんが中山競馬場へゲストとしてお見えになったおりに、控室でしばらくお話ししたことがあるのだが、健康法を伺ったところ、「よく噛(か)むことかなあ。親に口酸っぱく言われたからね」と教えてくださった。

 「プロに入ってからもですか?」

 「そう。何回も噛んだなあ。チームの名前も“南海”だったし」

 控室が爆笑に包まれたのを覚えている。「背番号(19番)で買ってみる」と馬連(1)-(9)と予想し、これがなんと的中。さすがと言うしかない勝負強さだった。(競馬コラムニスト)

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