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【通崎好みつれづれ】見えなくて見えるもの

 20代の時の写真群が、体当たりで撮ったからこその重みを感じさせるのに対し、新作のカラー写真は不思議と明るさにあふれ、見ている者に希望をもたらす。モノクロ、カラー、あるいは時代の違いのみではなく、榎並さん自身の来し方がこのような表現を可能にさせたのだろう。

 目に障害を持つ子供たちは、どこか求道者を思わせる風情を持ちながら、遊びに興じ、学びに没頭する。「目が見えないことで耳が研ぎ澄まされた」というトロンボーンのソリスト・鈴木加奈子さんの柔らかな笑顔もすてきだ。東京2020パラリンピックの出場を目指すアスリートたちの姿もとらえる本写真集。是非手に取り「見えなくても見えるもの」を感じてみてはどうだろう。(通崎睦美 木琴奏者)

 つうざき・むつみ 昭和42年、京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。マリンバとさまざまな楽器、オーケストラとの共演など多様な形態で演奏活動を行う一方、米国でも活躍した木琴奏者、平岡養一との縁をきっかけに木琴の復権に力を注いでいる。執筆活動も手掛け、『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)と第24回吉田秀和賞をダブル受賞。アンティーク着物コレクターとしても知られる。

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