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【脳を知る】「歯周病」脳卒中のリスク増加

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 どこかの庭先からふんわりと梅の香りが漂う季節になりました。春の訪れまで、まだいくらか日があるようですが、待ち遠しいですね。

 皆さん、「歯周病」って聞いたことがあると思いますが、歯周病が脳卒中と関連性があることはご存じでしょうか。歯周病は、細菌により歯肉に炎症が起こり、歯を支えている骨が溶けていく病気です。

 初期は、歯と歯肉の境目に多くの細菌が沈着して、歯肉が赤くなったり、腫れたりします。これが「歯肉炎」と言います。そして進行すると、「歯周炎」という段階になり、歯周ポケット(歯と歯肉の境目の溝がポケット状になる)が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯に至ります。日本人の約7割に何らかの歯周病(歯肉炎または歯周炎)の症状があります。

 口腔(こうくう)内にはおよそ300~500種類の細菌がすんでいますが、これらは普段あまり悪いことをしません。しかし、歯磨きが不十分だったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。これを歯垢(プラーク)といい、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。この歯垢の中に歯周病をひき起こす細菌が存在します。

 歯垢は徐々に硬くなり、歯石となり歯の表面に強く付着します。歯石は歯磨きだけでは取り除くことができません。この歯石の中や周りにさらに細菌が入り込み、歯周病を進行させます。そして喫煙、ストレス、不規則な食習慣などが歯周病の進行に関与します。ただし、体質により歯周病の進行しやすい人とあまり進行しない人がいるようです。

 歯周病と脳卒中との関連性については、歯周病患者では脳卒中を発症するリスクが1・48~2・63倍高くなると報告されています。歯周病の原因である細菌に対する免疫反応が、脳卒中患者では高いことも報告されています。

 これらの結果により、歯周病を管理することは脳卒中の予防につながる可能性があると考えられます。歯周病が単に口腔だけに留まる病気ではないことは明らかです。 

 歯周病の原因は歯垢ですから、それをためない、増やさないことが基本です。正しい歯みがきを毎日行って、歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておくことが大切です。歯周病の場合は歯科医を受診しましょう。(和歌山県立医科大学 脳神経外科講師 八子理恵)

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