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【ビブリオエッセー】知らない知識がいっぱい 「化学探偵Mr.キュリー」喜多喜久(中公文庫)

 この本に出会ったきっかけは、学校の「読書の時間」にある。僕は「読書の時間」に読みたい本がなかった。そこで母に、なにかおもしろい本はないかなと聞くと、母はいくつかの本を薦めてくれた。その中に、この『化学探偵Mr.キュリー』があった。

 「化学」と「探偵」といったような、「化学探偵」を二つに分けたそれぞれの意味ならもちろん理解はできる。しかし、それらをつなげて読むと、自分が想像すらしていなかった世界が現れたりする。僕は言葉のそんなところがおもしろいと思った。そして好きだと思う。だからまず、本のタイトルに引かれたのかもしれない。

 この本には五つの話が載っている。「埋蔵金の暗号」や「人体発火の秘密」や、題名にもそそられるが、それぞれの大体の構成としては、まず「七瀬舞衣」という大学の新人職員が何かのトラブルを見たり聞いたりして「沖野春彦」という理学部化学科の先生に相談する。沖野は最初は嫌がりながらもそのトラブル解決に乗り出す。そして解決のために化学の専門知識を使うのだ。つまり沖野春彦こそ主人公の「化学探偵」なのである。

 五つの物語にほとんどつながりはないが化学などの知らない知識がたくさん出てくるので、読んでいて飽きない。しかも、それまで自分が思い込んでいた“常識”が変わったりもする。『化学探偵Mr.キュリー』はシリーズになっていて、僕はこの本がたくさんの人たちに読まれたらいいなと思っている。

大阪府藤井寺市 須美匠真15      

【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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