PR

産経WEST 産経WEST

【脳を知る】「認知症のチェック」最近のニュース覚えてますか?

前のニュース

【脳を知る】「認知症のチェック」
【脳を知る】「認知症のチェック」

 「テレビを見ても、複雑なテレビドラマが理解できていないし、ニュースを見ていても、見ているだけで内容を覚えていないのです」

 70代の女性が夫と一緒に私の物忘れ外来を受診され、夫から私に渡してくれたメモには、そのようなことが書かれてありました。その他に、同じことを何度も言ったり、聞いたりしたり、置き忘れや、しまい忘れがあったり、時間や日にちが不確かになってきたなど、日常での症状がメモに記載されてありました。

 夫は、診察時に私に伝えたいことを忘れないように、またわかりやすいように、メモを書いて診察の前に渡してくれたのでした。診察室では、本人も一緒なので、本人の前では言いにくいという理由もあるのでしょう。

 しかし、このようにメモで書いていただくと、本人の家での生活が分かり、非常に認知症の診断に役立ちます。認知症の診断には、生活の障害がでているかどうかが重要な判断になるのです。

 この方は、認知機能の検査やMRI検査もおこない、アルツハイマー型認知症と診断し、抗認知症薬を開始し、現在も症状の進行なく穏やかに夫と生活されています。

 認知症の方の特徴として、短期記憶の障害があります。もともと覚えていたことや昔のことは覚えていますが、新しいことを記憶にとどめることが難しくなります。そのため、テレビを見ていても、少し前の内容を忘れてしまうため、複雑なテレビドラマが理解できなくなってしまいます。

 また、テレビでニュースを見ても、その時は、家族とニュースの感想などを話していたとしても、しばらくたてばそのニュースを忘れてしまったりします。

 そのため、私の物忘れ外来では、通院する方に対して、記憶障害を調べるためによく「最近テレビでやっていたニュースはなんですか?」という質問をして、物忘れが進行していないか調べます。

 認知症の方は、ニュースを覚えることができないので、なかなか答えることが難しくなります。またこれも認知症の方の特徴ですが、取り繕い現象といって、質問に答えられないことに理由をつけて、テレビを見ていたとしても、「私はテレビあまり見てませんから、分かりません」「いろいろ忙しいから見てません」などと答えることが多いのです。

 家族の方に認知症で心配な症状がある場合は、一度最近のニュースが答えられるか質問してみてください。認知症の方でも印象的なニュースは覚えていますし、認知症の予備軍「軽度認知障害」の方では、答えることができる場合も(私の経験では)半分くらいあります。

 答えたからといって、認知症じゃないとは言い切れませんので、心配な方は医療機関で相談してみてください。(和歌山・橋本市民病院 脳神経外科部長 大饗〈おわい〉義仁)

次のニュース

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ