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【一聞百見】被災者のためなら法破る覚悟で 岡山県総社市長の片岡聡一さん(60)

災害時には被災者の目線にたち、即断即決こそ何より大切という片岡聡一市長 =岡山県総社市(安元雄太撮影)
災害時には被災者の目線にたち、即断即決こそ何より大切という片岡聡一市長 =岡山県総社市(安元雄太撮影)
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■困っている人に寄り添う街に

 --昨年11月、市長4期目が決まった後の記者会見で「被災者寄り添い室」の設置を発表しました

片岡 市職員には「心の復興」を目指そうと呼び掛けています。寄り添い室のスタッフが被災者(西日本豪雨による市内の被害は死者10人、家屋被害1151棟)一人一人を訪ね、耳を傾けます。被災者と心が通い合う関係ができれば、不公平感とか喪失感が払拭できるのではないかと考えています。

 --被災者一人一人に耳を傾けるには大変な労力を伴います

片岡 それが総社市の行政のスタイルです。私が平成19年に市長に就任して以降、障害者1000人の雇用を実現しています。取り組み始めた当初の雇用数は180人でした。以降、障害者のいる家庭を1軒ずつ回って、「働きませんか」と声をかけてきました。障害者雇用のほか、外国人労働者の雇用や彼らの子供の就学の環境整備、LGBT(性的少数者)のパートナーシップを認める条例制定、ひきこもりの相談支援など、マイノリティー(社会的少数者)に寄り添う政治を実践しています。その延長線上に被災者への寄り添いもあるのです。

 --ライフスタイルの多様化に社会制度が追いつかず、さまざまな社会問題の原因となっています

片岡 社会のひずみに光をあてると、社会全体に安心感が広がります。障害者雇用により会社の雰囲気が和らいだり、障害者のいる家庭からは「肩の荷がおりた」という声が寄せられています。障害者雇用は数の目標から、職種の多様化、給料の引き上げなど生活の質の向上に取り組んでいきます。

ペット避難所の訓練で市民と話す市職員。片岡聡一市長は「市民一人一人に寄り添うのが総社市の行政だ」という
ペット避難所の訓練で市民と話す市職員。片岡聡一市長は「市民一人一人に寄り添うのが総社市の行政だ」という
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 --そうした市の取り組みにより、人口の増加が進んでいるのでしょうか

片岡 中国地方の107市町村の中で転入超過が1位となっています。外国人労働者の問題に積極的に取り組んでいるという噂を聞いて、四国や九州など市外の外国人からの相談もよく持ち込まれます。

 --南海トラフ地震対策では、四国沿岸部の自治体から避難者を受け入れる条例も制定していますね

片岡 総社市を拠点とし、香川県丸亀市を中継地に国連登録の医療NGO「AMDA」や協力企業、県内自治体などと被災地支援の計画を進めていますが、現地では避難場所が不足することは明らかです。一刻も早く安心できる避難場所を確保してあげたいという思いです。こういった取り組みができるのも、総社市民に、困った人に寄り添う気持ちが醸成されているからだと思います。

片岡聡一市長は、21年間秘書として仕え、薫陶を受けた橋本龍太郎元首相の遺影を市長室に掲げている =岡山県総社市(安元雄太撮影)
片岡聡一市長は、21年間秘書として仕え、薫陶を受けた橋本龍太郎元首相の遺影を市長室に掲げている =岡山県総社市(安元雄太撮影)
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 --市長の政治姿勢には橋本龍太郎元首相の秘書官の経験が影響していますか

片岡 かつて全国の首長の陳情に接していましたが、自分ならこうするという学習をしていました。橋本先生はいろいろなことに目配りし、周囲が思いもしないような三手先ぐらい先を見据え、迅速に行動されていました。そうした様子をみていた経験が今になって生きているかもしれませんね。

     ◇

 【プロフィル】片岡聡一(かたおか・そういち) 昭和34年、岡山県総社市生まれ。青山学院大卒、59年同県選出の国会議員、橋本龍太郎事務所入所。平成8年内閣総理大臣公設第一秘書、12年行政改革・沖縄北方担当大臣大臣秘書官。19年から総社市長、現在4期目。全国市長会経済委員長。倉敷芸術科学大客員教授。23年「総社市障がい者千人雇用推進条例」を制定。29年5月に目標達成し、一昨年に国連のWHO(世界保健機関)で報告。「そうじゃ吉備路マラソン」をきっかけにマラソンを始め、年間千キロ走破が目標。趣味はピアノの弾き語り。

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