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【一聞百見】イチロー、マー君…本物は礼節を少年野球で学んだ NPO法人ベースボールスピリッツ理事長・奥村幸治さん(47)

年間100回以上の講演をこなす奥村さん =兵庫県宝塚市の宝塚ホテル(南雲都撮影)
年間100回以上の講演をこなす奥村さん =兵庫県宝塚市の宝塚ホテル(南雲都撮影)
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■裏方だから聞けた本音

 NPOの理事長として年間100回以上の講演活動を行っている奥村さん。話す内容の中心は、プロ野球オリックスの打撃投手を務めていたころに接したイチローさんや、宝塚ボーイズの監督として教えた米大リーグ、ヤンキースの田中将大選手らの真摯(しんし)に野球に取り組む姿。豊富なエピソードや話術が話題となり、最近は少年野球とあまり関係のない企業の経営者からも講演を依頼されるようになった。TPOに応じた引き出しの多さはどこから生まれたのだろうか。

 講演活動を始めたきっかけは、宝塚ボーイズを取材した記者の「これだけの経験をされているのだから、やってみたらどうですか」との、なにげない言葉。最初のころは、自身の言いたいことが聴衆にうまく伝わらず、「講演は難しい」と思っていた。変わったのはその記者からのアドバイス。「みんな、奥村さんの何を聞きたいと思っているんですか? イチローさんの話でしょ。それを順序立てて話すんですよ。宝塚ボーイズで子供たちとミーティングしているのと同じような内容でいいんじゃないですかね」。この助言通りにストーリーを考え、60分の講演時間なら60分で完結するように構成を練った。すると、徐々に依頼が増えたのだという。

 対象も少年野球に取り組む子供から指導者、企業の経営者…と広がった。だが、奥村さんは「一流の人がルーチンとして何を心がけているか、どう目標を立てているか。そういった話が、一番多くの人に聞いてもらえる気がします。経営者のみなさんと、イチローの考え方には共通点があると思います」という。

 講演に赴く上で気を付けているのは、1時間ぐらい前に会場に到着するように準備すること。「待っている人がいる。自分ができる最大のことをしないといけない」との思いからだ。だから、年間100回以上、講演を繰り返してもマンネリになることはない。「まずは、みなさんが知らないイチローの話なんかを聞いてほしいんです。会場の雰囲気が良くて僕のテンションが上がるということはありますけど、下がることはありませんね」と奥村さん。

阪神大震災のあった平成7(1995)年に行われたオリックスの優勝パレード。イチロー選手(左)らがファンの声援に手を振って応えた =平成7年11月5日、神戸市
阪神大震災のあった平成7(1995)年に行われたオリックスの優勝パレード。イチロー選手(左)らがファンの声援に手を振って応えた =平成7年11月5日、神戸市
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 では、多くの聴衆を引き付けるエピソードをたくわえられた理由はどこにあるのか。「僕がすごく良かったなと思うのは、プロ野球選手になりたかったけど、なれなくて、裏方としてプロの世界に入って、それでも夢をあきらめずに『僕と一流選手の違いって何なんだろう?』というのを、いい距離感で気付かせてもらったこと。裏方だったから、イチローの本音を聞けた。コーチや監督との関係もそう。裏方だったから、いい距離感でいられたんです」

(次ページ)借金してまで専用球場。己を極め、助け合う「野球の本質」を…

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