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【阪神大震災】被災地癒やした「ぬくもり」今こそ NHKドラマが描く安克昌医師の生涯

 一方、震災を知らない人たちもドラマと関わった。

 宮崎県出身のプロデューサー、堀之内礼二郎さんは、震災を体験していない立場から、今回のドラマを「制作する意味」をつかみきれず、考え込んだという。

 しかし、撮影前に安医師の妻に話を聞いたときのこと。自分と幼い子供たち、おなかにいた赤ちゃんのことを案じていた病気の夫の気持ちに改めて気付くにつれ、夫の死を少しずつ受け入れられるようになっていったことを知った。「心の傷の回復には時間がかかり、社会が見守る必要がある。災害ドラマで大切なのは、心の傷が癒えない人たちに『忘れていないよ』という社会のぬくもりを伝えることではないか」と気付かされた。

 安医師がモデルの主人公を演じる俳優、柄本佑(たすく)さんも、当時8歳で記憶にはないが、主人公が「心のケアって何か、分かった」と語った後に続く「誰もひとりぼっちにさせへん、てことや」というせりふに心が打たれた。

 震災から25年。ドラマのスタッフや出演者らは、「人が持っているぬくもりを伝えよう」と立ち上がった。それは、社会に向けた普遍的なメッセージでもある。

 京田さんは「安さんが伝えたかったことは、人間に対する深い愛情の大切さ。今の時代にこそ届けたい」と話している。

安克昌(あん・かつまさ)医師 昭和35年、大阪市出身。神戸大学医学部精神神経科の助手だったときに阪神大震災に遭遇。疲労感や生き残った罪悪感に苦しむ被災者の内面に光を当て続けた。本紙の連載をもとにした著書「心の傷を癒すということ」は平成8年、サントリー学芸賞を受賞。その後末期がんが判明し、12年に39歳で死去した。3人目の子供が生まれた2日後だった。

 NHKドラマ「心の傷を癒すということ」のプロデューサーらを招き、本紙の連載担当者だった河村直哉論説委員を交えたトークイベントを行います。

 【日時】1月25日(土)午後2時~3時半

 【会場】産経新聞大阪本社(大阪市浪速区湊町2の1の57)

 【参加予定者】プロデューサー・京田光広氏、堀之内礼二郎氏、演出・安達もじり氏、河村直哉

 【参加費】1200円

 【申し込み、問い合わせ】ウェーブ産経事務局(06・6633・9087、平日午前10時~午後5時)

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