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【スポーツ茶論】サウジ政権にあらがう選手の良心 黒沢潤

 渦中のミケルソンの言い分はこうだ。「まだ行ったことのない世界を見て、プレーするのは楽しみだ。失望している人がいるのは知っている」

 やまない騒動に、ウッズは「政治の話が裏にあるのは知っている。だが、ゴルフというスポーツには、(あしき)状況を変える力もあるはずだ。出場する選手も大勢いる」と擁護する。実際、前回覇者のダスティン・ジョンソン、世界ランク1位のブルックス・ケプカ(ともに米国)も出場するだけに、ミケルソンだけを責めるのは公平でない。

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 むしろ、出場辞退を決めた選手たちに、光を当てるべきだろう。

 「単純にあそこまで行きたくなかった。遠いからね」。こう語り辞退したのはウッズだ。ただ、本心ではなかろう。人種差別という社会の不正義に苦しんだウッズの神経は、ときに真綿に包まれながらも攻撃性を内在する。とぼけた発言の裏に当然、サウジ政権を忌む真意があるとみる。

 英国のポール・ケーシーも2回連続で欠場する。英紙テレグラフによれば、前大会の際、「(サウジ政権には)多くの疑問が残る。政権が人権侵害をするなら、出場を辞退すべきだと思う」と語った。

 日本人にもなじみ深い英国のスーパースター、ローリー・マキロイも推定約3億円のオファーを蹴って辞退。「100%、倫理の問題が絡む。サウジ以外にも(問題ある)国は多い。行かない理由がある国は山ほどある」と話す。

 カショギ氏と生前、名刺交換したこともある筆者は、今もその面影を忘れることができない。サウジ政権によって冷酷にも身を切り刻まれ、殺害されたとみられる凄惨(せいさん)な事件だけに、抗議の声を上げ、一片の良心を示した選手たちの言動は重く胸に迫る。

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