PR

産経WEST 産経WEST

大阪の「だし文化」揺らぐ 天然真昆布の水揚げ激減 温暖化が影響か

海から引き揚げたこんぶを天日干しする漁師たち。一家総出の作業という=函館市南茅部地区の川汲浜
海から引き揚げたこんぶを天日干しする漁師たち。一家総出の作業という=函館市南茅部地区の川汲浜
その他の写真を見る(1/3枚)

 天下の台所、大阪の味を支えてきた昆布の最高品種「天然真昆布」の水揚げ量が北海道で激減している。不作が5年連続となり、10年間で5%にまで落ち込んだ。大阪の料理人や昆布業界からは「食文化の危機」を懸念する悲痛な声があがる。不作には地球温暖化などが影響していると考えられているが詳しい原因は不明。生産を回復させるための試みも始まり、復活に期待が寄せられている。(北村博子)

利尻、日高とは一線

 北海道南部で採れる天然真昆布は多年生で、最高品種は2年目に収穫する。江戸時代、北前船(きたまえぶね)で北海道から大阪に運ばれ、そのころから大阪の昆布といえば真昆布と親しまれてきた。

 「真昆布には独特の甘味と、どっしりとしたうま味があり、どんな材料でも受け止める許容力がある」

 ミシュランガイドで10年連続、最高評価の「三つ星」の評価を受ける日本料理店「柏屋」(大阪府吹田市)の主人で料理人の松尾英明さん(57)は大阪のだしを支えてきた真昆布の特性をこう語る。京都の出汁に使われる利尻昆布や広く親しまれている日高昆布には出せない味わいがあるという。

 生産地の北海道函館市南茅部地区にある「南かやべ漁協組合」によると、平成21年度に年間618トンあった天然真昆布の水揚げ量が、昨年度は27トンにまで激減。今年度の見込みは20トンとさらに落ち込み5年連続の不作となった。昆布が群生する藻場の今年の状況を確認すると、種の着床がうまくいかず、生育した昆布も少なく、来年の不作も確定しているという。

 原因については、温暖化による海水温の上昇が影響していると考えられているが、ほかにも森林伐採や護岸工事、藻場の石灰化などさまざまな外的要因が考えられるといい、組合担当者は「はっきりとした理由がわからない」と説明する。

 松尾さんは「完全に手に入らなくなったらどうするのと問われれば、はたとして答えを失ってしまう。それぐらい他に代わりがないんです」と肩を落とす。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ